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小児の五月病と漢方
 入園・入学式もすぎ早や二ヵ月、集団生活にも慣れて新しい友達もでき楽しい生活が始まっています。反面、浮かぬ顔の家族も見受けられます。この幼・小児期は成長に個人差が大きく小柄だったり、体力がイマイチだったりで不揃いな年代です。

 朝になると、急にお腹が痛い!頭が痛い!元気がない!起きられない!食が細くなった!など・・・・むずかり症状を訴えることもあり保護者は何かと心配の種になります。
 団体生活の中で自分の不都合に気づくのもこの時期なのかも。若しかすると五月病なのかもしれません。小児の五月病と漢方_e0024094_17454645.jpg

 五月病は一般的に環境の変化に適応しきれなく心身が疲れやすい、からだの発育遅れなどに多くみられます。

   五遅五軟(ごちごなん)

 漢方(中医学)では小児の発育不良を ”五遅五軟”と表現しています。発育の遅れ、智力の未発達が特徴です。
  五遅とは  
   1、立遅 立てるのが遅い
   2、行遅 歩き出しが遅い  速く走れない
   3、髪遅 髪の生えるのが遅い 髪が長くならない
   4、歯遅 歯が生えるのが遅い  永久歯に生え替わるのが遅い
   5、語遅 話初めが遅い   表現力に乏しい

  五軟とは  
   1、頭軟 頭を持ち上げられない  泉門が閉じない
   2、項軟 首が座らない   頸椎が軟弱
   3、脚軟(手足) 手足が萎え力が入らない おぼつか無い歩き 物がつかめない
   4、肌肉軟 筋肉がつかない
   5、口軟 咀嚼力が弱い
                    (漢方用語大辞典より)

  治法は ”腎”を補う

 中医学漢方では幼・小児期の発育不良に対し”腎の役割”を重視しています。中医学でいう腎は西洋医学の ”腎臓”の役割よりも幅広く、成長ホルモンの働き、免疫機能維持、骨や歯をつくるカルシュウム代謝などを含み、生命活動の基である腎精を蓄えるところでもあります。

 漢方の古典には腎の機能について、「腎は成長発育を主る」 「腎は骨を主り、髄を生じ、その華は髪にある」 「腎は精を蔵す」などと表現をしています。

 以上のことから幼・小児の発育不足の「五遅五軟」の改善に、腎を補うことをメインに後天の精を生む脾を補い腎精を充実させることが大切です。発育期の上昇カーブが大のこの時期に、漢方を服用することで骨の発達を促し歯の生え替わり、身長の伸びを期待できます。
 女子では7歳前後、男子では8歳前後にこれらがすべて改善されるのが望ましく、その結果健全な大人へのスタートを切ることができます。

 漢方の知恵の奥深さを感じます。



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                       美ら海水族館
by home-k | 2015-05-29 17:51 | 漢方の話題