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2007年 12月 29日 ( 1 )
お血と微小循環障害 Vol.20-皮膚掻痒症(&老人性)-
 この季節(秋・冬)、体中が痒くてじっとしていられない、就寝中に掻きむしって血がにじむ、特にスネを中心に下肢全体が乾燥し粉をふいたようになる、保湿剤を塗っても治らない、温まると痒くなるので不眠気味など・・・訴えは深刻です。

 これは寒冷の刺激(漢方では寒邪という)が人体に侵襲したもので、普段から冷え性の人(陽気不足)や高齢者は容易に犯されてしまいます。
 寒邪は自然界でも水を氷に変化させたり、冷凍庫の物を収縮させたりする性質があるように人体にも冷えや収縮をあたえ末梢血管や内臓血管を収縮させて血液循環を悪化させます。

 人体と外界との接点の皮膚は血液が運ぶ酸素や栄養によっていきいきと潤いを保っていますが寒邪にその補給路を阻害されると皮膚は潤いを失い皮膚の新陳代謝に大きな影響をあたることになります。角質層は栄養障害(微小循環障害=瘀血)となり乾燥し、めくれ剥がれて白い落屑となります。

 漢方(中医学)で皮膚掻痒症を考えると直接の原因は寒邪ですが二っのパターンがあり、①からだに冷え(陽虚)や血の不足(血虚)、②物質は足りているが汚れていて(瘀血・痰湿)非生理的な血液であったりで結果的に栄養障害が起きていることです。

 ①では体を温め血を補う当帰・川芎・芍薬・熟地黄をメインに止痒効果のシツリシ・荊芥・防風などで手当てし、②では血を蘇らせ汚れを去ることで①の補血薬+活血化瘀薬の赤芍薬・丹参・紅花などを又、痰湿があれば袪湿薬を配合して対処します。いずれにしても血を巡らす瘀血薬の配合は不可欠で治療を促進します。

 老人性皮膚掻痒症も同様で、皮膚の老化が進み、皮膚は薄くなり、皮脂腺・汗腺が萎縮し皮脂の分泌が減少し皮膚を保護できないので表皮が乾燥しヒビや批糠様落屑が生じます。これは老化により腎機能が低下して精血(生命活動を維持する栄養物質)の不足やホルモンの分泌低下、陳久性の血瘀による血の潤い不足により発症しますので①・②の補血・活血の薬+補腎薬の配合を欠かすことは出来ません。

 生活面では熱いシャワーや風呂、タオルに石鹸、電気毛布、冷たい飲食を避け、保温を心がけ良質の保湿剤で保護することが大切です。

 良質の保湿剤については2005・10・17の記事を参考にしてください。

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by home-k | 2007-12-29 14:47 | お血(おけつ)