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2009年 11月 19日 ( 1 )
婦人疾患と漢方  ー習慣性流産と漢方安胎法ー
 赤ちゃんが欲しくてもなかなか授からない人もいれば、せっかく授かったのに途中で流産してしまう人もいます。三回以上流産を繰り返す習慣性流産のことを中国漢方では滑胎といいます。

 流産を予防し胎児を守る方法は保胎または安胎法といい、中国では泰山磐石散(たいざんばんじゃくさん)という処方がよく使われています。その雄大な薬名からも頼もしい処方です。

 中国漢方では生殖の源は ”腎”にあるとしていて漢方のバイブルには「腎は精を蔵し、成長、発育、生殖を主る」と明記されていて、生殖に関するトラブルは腎との関連でとらえています。それ故、滑胎を予防するには腎の機能面の強化(補腎)が大切な要素と考えています。

 腎機能の異常は「妊娠する力」「産む力」も低下していることですので運よく受精しても或いは高度生殖医療などで受精卵だけを与えても体はうまく命を育むことができないのは当然のことです。

 中国医学での腎の機能は「精を蔵す」ことが最大の仕事ですが機能不足からその精が不足することは人体の成長・発育に必需な精微物質の基礎が不足することですから補腎薬の服用が欠かせなくなってきます。

e0024094_174918100.jpg 漢方では胎児をしっかりと子宮の中で安定・成長させるのは ”気”の作用と考えています。流産の前によくみられる下腹部の痛みや下墜感は気の不足によるものです。気を補う人参・黄耆が必要です。

 胎児の生育には母体からの栄養・酸素の供給が不可欠で母体の "血(けつ)”の不足は胎児の栄養不足を起こし流産の原因となります。貧血気味の人は当帰・芍薬・熟地黄などで血を補うことが大切です。これらの内容を詰め合わせたのが泰山磐石散です。漢方のバイブルに「気血虚損すれば胎を養うこと能わず、しばしば堕つる所以なり」とのべています。

 流産を繰り返すことは体に大きな負担がかかり回数を重ねるほどに次の妊娠も流産になる確率が高くなりやがて重度な不育症へと移行していきます。それを避けるために、しばらく避妊して体を休ませることが大切です。健全な母体で、健康な赤ちゃんを産むために中国漢方の理論を駆使して「健全な出産のできるからだづくり」を目指したいものです。



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by home-k | 2009-11-19 11:56 | 婦人科疾患と漢方