ブログトップ
カテゴリ:生理不順( 7 )
婦人科疾患と漢方  ー生理血の異常・簡易判別ー   
 生理血は女性特有のからだの内面の状態が外に現れた症候ですので、からだからの ”たより” ともいえます。 ”たより” の内容である生理血の色調・生理の周期・生理血量の異常、それに伴う自覚症状などの観察は女性疾患の治療に欠かすことが出来ません。

 これまで数ページに亘り生理の異常を記してきましたが色調などは文字で表現しきれず、また症状も多岐になりますので、まとめとしてご参考までに「生理の状態による簡易判別表」・「色調表」をアップしてみました。
 
 
e0024094_15262225.jpg

 
e0024094_1527854.jpg

                   (漢方療法推進会資料より)


 生理異常を放置することは、筋腫や内膜症・卵巣の異常などさまざまな婦人科疾患や不妊の原因・酷い更年期障害を引き起こすことになりかねません。中国漢方の体質判断をすることで副作用のない漢方薬での治療が可能です。




漢方ホーム薬局のHPはこちら
 
    
by home-k | 2009-04-04 15:45 | 生理不順
婦人科疾患   ー月経血量の異常ー
 月経血量の過・不足

 中医学(中国漢方)では生理周期の異常だけでなく、経血量が多すぎる・少なすぎることも月経異常の一つとして問題視しています。

Ⅰ) 経血量が多すぎる(月経過多) 

 「多い」という目安は、月経期間中の一番多い日に二時間もすればナプキンがポタポタになる状態です。その主な原因に二つのタイプがあります。

  ①血熱体質
   精神的ストレス・悩み・怒りなど、或いはピリ辛・酒・カロリー過多食などで発生した余分な熱が血に及び血熱となった状態(迫血妄行)で、経血は深紅・粘稠で小血塊が混じることが多い。イライラ・怒りっぽい・顔が赤い・眼の充血などの症状をともなう。
 治法: 血の熱を冷ます清熱涼血薬を用います。

  ②気虚体質(エネルギー不足)
   生まれつき体が弱い・過労・思慮過度などにより消化機能が低下し「気」の産生ができず、血流のコントロールに必要な気の不足による異常の状態(気の固摂機能失調)で、経血は淡紅・希薄で、元気がない・疲れやすい・息切れ・食が細いなどの症状をともなう。
 治法: 胃腸機能を高めて気の統摂能力を回復させる益気摂血薬を用います。

Ⅱ) 経血量が少なすぎる(月経過少)

 「少ない」という目安は、月経期間中の一番多い日でもナプキンが一枚でもつような状態です。主な原因に三つのタイプがあります。

  ①血虚体質(血の不足)
   慢性病や出血などによる血の消耗、内臓機能低下による血の産生不足などにより経血が不足した状態で、経血はごく少なく淡紅・希薄で月経後に下腹部痛となったり、皮膚につやがない・爪がもろい・髪の傷み・頭のふらつき・目の疲れ・手足の痺れなどの症状がみられる。
 治法: 内臓機能を高めて生血を促進する益気養血薬を用います。

  ②寒凝体質(冷え性)
   冷たい物の摂り過ぎ・薄着で体を冷やしすぎたりで、冷え(寒邪=凍結の性質がある)が体に入り込み血を凝滞させて流れが悪化した状態で経血は暗紅で血塊があり、強い生理痛・下腹部の冷え・顔色が青いなどの症状がみられます。
 治法: 体を温め血をめぐらせ寒邪を取り除く温経散寒薬を用います。

  ③血瘀(けつお=血の滞り)
   ストレスや冷え、エネルギー不足、生血不足など多くの原因で血流が悪化して血が滞り経血が不足する状態で経血は暗紫紅色で血塊が混じり、刺すような生理痛があります。
 治法: 血の滞りを改善する活血化瘀薬を原因を考慮しつつ併用します。

 月経は人体の内面の状態が外に現れた症候ですので、月経の色調・周期・量などを詳しく観察して総合的に分析する必要があります。これらの不調は不妊の原因やつらい更年期障害に発展しますので、早い時期に改善しなければなりません。ホルモン療法とは異なり漢方薬は4000年の歴史に育てられた医療ですので副作用もなく安全にからだの調和を計ることができます。

 漢方的体質の見分け方は当ブログを参考にして理解を深めてください。



  漢方ホーム薬局のHPはこちら
   
by home-k | 2009-03-25 17:53 | 生理不順
婦人科疾患 ー月経周期の異常ー 4の4 生理が不定期
 月経不定期(経行先後無定期)

 月経周期が早くなったり遅れたりして不規則なことで、ストレス(肝気鬱結)や若くして老化が進んでしまった腎虚(腎精不足)の二つのタイプがあります。閉経期は問題外です。

Ⅰ) 肝気鬱結(気の流れの滞り)
  
 ストレスや悩み・怒り・緊張・不安などの情緒変動、或いは旅行など非日常のことに心身が影響を受けて、気や血の流れが乱れたためにイライラやヒステリックな反応・憂鬱・ため息が多くなり生理が乱れるもので、
生理の前や初期に痛みをともない乳房や腹の張りなどをともなうことが多い(PMS)。

 治法:気分を伸びやかにし気や血の流れを改善する柴胡・香附子・鬱金(川玉金)・当帰などの漢方薬が効果的です。

Ⅱ) 腎虚(腎精不足:栄養物質の不足)

 人工中絶の回数が多かったり、性生活の不節制、慢性病や生まれつき虚弱などが原因で体の生命活動を維持する栄養物質(腎精)が不足するために、目の周りにくまができ・頭のふらつき・めまい・腰や膝がだるく痛むなどがみられ、経血色は淡くてサラサラ、量はごく少ない。

 治法:栄養のある血の産生を促進するクコの実・杜仲・亀板・鹿角・地黄などの漢方薬を組み合わせて使います。

 安易にホルモン療法に頼ることなく、漢方薬でからだのバランスを整えて周期を正常化することが大切で体にも最も負担がなく優れた治療法でもあります。治療経験の豊富な漢方療法で豊かな人生を過ごしましょう。



               漢方ホーム薬局のHPはこちら         
by home-k | 2009-03-18 13:45 | 生理不順
婦人科疾患 ー月経周期の異常ー 4の3 生理が遅れる
 月経後期(稀発月経)

 いつもより生理が遅れてしまう月経後期は血虚・血寒・痰湿などが原因として考えられます。周期が39日以上のびることで、甚だしければ2~3ヶ月或いは半年に一回の月経の場合もあります。
 たまに周期が遅れる程度のことは問題ありません。

Ⅰ) 血虚 (血の不足のタイプ)
 月経血の基になる血の不足は慢性病や出血による血の消耗や胃腸が弱くて栄養物の吸収が悪いため血の産生不足のことが多く目が疲れる・皮膚につやがない・毛髪が傷みやすい・爪がもろい・手足のしびれ感などの自覚症状をともない、経血量は少なく淡色で、月経終了後に下腹部がシクシク痛み、押さえると楽になることが多い。

 治療法:血を補いめぐらせる当帰・芍薬・川芎・地黄などの漢方薬が適しています。

Ⅱ) 血寒 (冷えによる血行不良)
 中国漢方では「血は温めることを喜こび、寒(冷え)を嫌う」という考えがあり、寒冷により血はめぐらなくなるとしています。寒冷の環境や薄着で冷える・冷たいものの摂り過ぎなどで血が冷えてしまい、子宮に血がめぐらず生理血が不足した状態です。基本的に血の不足の人に多くみられます。下腹部の冷えや顔色が寒々しい・冷え性などを自覚し、経血色は暗紅で量は少なく経血に塊があり、強い月経痛をともなうことが多い。

 治療法:体を温め血行を促進させて冷えを除く桂皮・乾姜・附子などの漢方薬が適しています。

 この血寒が長引くと虚寒という強い冷えの病態に移行し治療が複雑になります。

Ⅲ) 痰湿 (水分代謝不良)
 中国漢方では「脾は運化をつかさどる」といい、食べすぎ・お酒の飲みすぎ・バランスの悪い食生活で胃腸の働きが低下して燃えカスを残すようになります。この燃えカスと余分な処理しきれない水分が合体して痰湿を発生させ、気や血の流れを阻むので生理は遅れます。
 肥満気味・からだがだるい・むくみ・胸や腹が張って苦しい・おりものが多いなどがあり経血色は淡く量は少なく粘稠などがみられます。

 治療法:胃腸の正常な営みを回復させる半夏・陳皮・茯苓などの漢方薬で体を調和させます。


 いずれの場合も体を冷やさないように衣・食・住の生活面に注意が大切です。


  次回は不定期の生理についてです。




漢方ホーム薬局のHPはこちら
by home-k | 2009-02-25 14:48 | 生理不順
婦人科疾患 ー月経周期の異常ー 4の2 生理が早い
 月経先期(頻発月経)

 いつもより生理が早く来てしまう月経先期は、気虚と血熱の二つの原因が考えられます。

Ⅰ) 気虚 :エネルギー不足のタイプ
 過労・重い病気・胃腸が弱い・飲食の不摂生などで ”気”が不足して、気が血をコントロールできなくなるので経血がもれてしまい生理が早くなる病態で、経血はダラダラと続くので量は多く、血色 は淡く希薄であり、疲れやすい・元気がない・気力がない・息ぎれ・ 声に力がない・食欲不振などの症状を伴う特徴があります。

 治療法:内臓機能を充実させる朝鮮人参・黄耆・当帰・芍薬・川芎などの配合された漢方薬を使います。

Ⅱ) 血熱:体に余分の熱がこもるタイプ
 辛いもの・味の濃いもの・酒・カロリー過多食などの摂りすぎ、ストレスや抑うつ・怒り・悩み・過度の思慮などでからだに余分な熱がこもり、熱が血を乱すので生理が早くなる 病態で、経血量は多く・出血日数も長く・経血色は深紅で粘稠であり、イライラ・不眠・怒りっぽい・暑がる・のぼせ・尿が濃い・舌が紅いなどの症状を伴います。

 治療法:血にこもった熱をさます牡丹皮・茅根・うこん(川玉金)・黄連・黄芩・山梔子・当帰などの配合された漢方薬を使います。

   * 治療を誤ったり長期にわたり改善されないと複雑な病症(陰虚)に移行しますので注意が必要です。



    次回は予定日が遅れる場合です。(月経後期)




     漢方ホーム薬局のHPはこちら 
      
by home-k | 2009-01-29 17:54 | 生理不順
婦人科疾患   ー月経周期の異常ー 4の1
 突然の生理の周期の乱れが問題
 
 通常、月経周期は成人で約30日前後(25~38日の範囲は正常)で成長期・閉経期・妊娠出産・授乳期をのぞけば、あまり変化がないのが一般的で、このサイクルを400回繰り返すといわれています。

 周期の異常には、正常の範囲を超えて 
  ① 周期が24日以内に短縮する場合を "早め”<月経先期>、
  ② 周期が39日以上に延長する場合を ”遅れ”<月経後期>、
  ③ 周期が早かったり、遅れたり ”一定しない” <月経不定期>、
 などがみられます。

 中国漢方では、この三ッの周期異常そのものより周期の変化を問題視しています。たとえば、早めだった人が遅れるようになったり、一定でなくバラバラになったりした場合、からだに何かの異変が起きている前兆と考えていますので、本格的な病気を発症する前に先手を打って防ごうとします。

 これが中国漢方の ”未病先防”という考えです。

 実際異常がみられる方の基礎体温表から、低温期と高温期がはっきり分かれていない、低温期のうち卵胞期が長い(14日以上)、高温期が短い(12日以下)などホルモン系の異常や不妊に結びつく要素をうかがい知ることが出来ます。

 つまり周期異常など生理不順の背景には、無排卵性月経、卵子の質が悪い、排卵がうまくいかない、黄体ホルモン(高温期維持に必要)の働きが悪いなどの危険性が潜んでいる可能性があるのです。

 まずは基礎体温表をキッチリつけて自身の体の変化をいち早く知ることが大切です。異常があれば視床下部を刺激して女性ホルモンの分泌を促す働きのある漢方薬での治療が最適です。


   次回は生理が早くきてしまう場合についてです。(月経先期)


        漢方ホーム薬局のHPはこちら
 
by home-k | 2009-01-29 15:33 | 生理不順
婦人科疾患  その 1  ー月経不順ー
 からだは血液で養われています。女性は毎月の月経で大切な血液を失うため、満たされていない体は血液のトラブルに悩まされることになります。

 中医学では「婦人は血を以って主となす」といい、血である月経血が調っているのか、不調かは身体の健康状態を反映していて、月経はからだの内面の状態が外に現れた症候ですので月経の周期、月経血の色調、月経血の量などは確実に把握すべきだとしています。
 
 また、血と臓腑の関係について「心は血をつかさどる・肝は血を蔵す・脾は統血する・脾胃は血を生じる・腎は精を蔵し血を生ず」と各臓器の働きを表現していて、血の成り立ちや巡りに関係していることを説いています。ですから、これらの臓腑に異常があれば月経にも異常が現れるのは当然のことといえます。

 一般的な正常値は
   月経周期では25~38日、
   月経血の色調は暗赤色、
   月経血の量は50~100ml、
   持続日数は3~7日
、   とされていますので、この基準から外れていれば"月経異常”の範疇に入り正さなければなりません。

 月経が調わずそのまま放っておくことは将来の婦人病の起源にもなり子宮筋腫や内膜症、不妊症などに進行することにもなりかねず将来、更年期障害に悩まされることにもなります。

 月経異常の治療に対して漢方は優れた治療法が確立されていますので次回からその治療法を記していきます。安易にホルモン療法などでその場をしのぐのではなく、病態を根本的に改善して自分の力で月経がくるようにすべきで、漢方治療には安全で有効な方法が沢山蓄積されています。

 次回は月経周期の異常についてです。





       漢方ホーム薬局のHPはこちら 

 
by home-k | 2009-01-20 17:23 | 生理不順