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カテゴリ:婦人科疾患と漢方( 5 )
PMS(月経前症候群)と漢方
 2015.11.19(木)pm10からNHKTV ”総合診療医ドクターG”で PMSの症例を取り上げていました。
PMSは生理が近くなるとイライや胸が張ったりする症状が現れ、生理が来れば自然と治る生理現象です。

 ところが女性の社会進出に伴い、出産が減り生涯の月経回数も多くなり、病的なPMSが多く見られるようになってきました。番組でも演じられていたような甲状腺機能低下症的な症状の訴えなど仕事も家事もできない酷い症状も多く見られます。

 店頭で多い訴えの数々
  身体症状として; 乳房の腫痛・乳頭の刺痛・胸苦しい・胸脇が張る・下腹部の張り痛み・頭のふらつき・めまい・頭痛・腰痛・むくみ・ニキビ・微熱が続く倦怠感・便秘・下痢・頻尿・・・・・・・・・・・・・・など
  精神症状として; イライラ・怒りっぽい・憂鬱感・不安感・無気力・集中力や判断力の低下・睡眠障害・パニック・緊張が続く・妄想・涙もろくなる・・・・・・・・・・・・など

 症状の現れ方は人それぞれですが、まじめな性格、潔癖症、几帳面、神経質、とりこし苦労型などの人は特に症状が強く複雑にでるようです。また月により症状の軽重もあります。e0024094_16442045.jpg

 漢方治療 
 多くは ”肝の病症”であり肝は「疏泄を主り、血を蔵す」ことから、自律神経系を介した精神情緒の不安定や血流障害に起因します。肝鬱気滞・肝鬱化火と弁証されます。これは気の巡りが悪い気滞といい
上記の症状が多く見られます。「気廻れば血めぐる」ことから気滞は血の巡りを滞らせ瘀血(おけつ)を生じ病状を重くします。

 香蘇散、逍遥散、加味逍遥散、柴胡疏肝散、平肝流気飲、女神散、四逆散などで気の巡りを改善し、活血化瘀薬などを必要に応じて併用し治療のスピードアップを計ります。
漢方では抗不安薬や抗うつ薬のように脳神経に直接働きかけるものやピルなどのように女性ホルモンバランスを強制的に変えるものとは違い、体に負担をかけることことなく全身のバランスを整えることを優先します。

 中医学漢方の最も得意とする分野ですので、漢方薬で快適な人生を送ることができます。






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定休日;日・月・祝日   営業日;火~土  Am9.~Pm6.

 
by home-k | 2015-11-21 17:00 | 婦人科疾患と漢方
婦人疾患と漢方  ー習慣性流産と漢方安胎法ー
 赤ちゃんが欲しくてもなかなか授からない人もいれば、せっかく授かったのに途中で流産してしまう人もいます。三回以上流産を繰り返す習慣性流産のことを中国漢方では滑胎といいます。

 流産を予防し胎児を守る方法は保胎または安胎法といい、中国では泰山磐石散(たいざんばんじゃくさん)という処方がよく使われています。その雄大な薬名からも頼もしい処方です。

 中国漢方では生殖の源は ”腎”にあるとしていて漢方のバイブルには「腎は精を蔵し、成長、発育、生殖を主る」と明記されていて、生殖に関するトラブルは腎との関連でとらえています。それ故、滑胎を予防するには腎の機能面の強化(補腎)が大切な要素と考えています。

 腎機能の異常は「妊娠する力」「産む力」も低下していることですので運よく受精しても或いは高度生殖医療などで受精卵だけを与えても体はうまく命を育むことができないのは当然のことです。

 中国医学での腎の機能は「精を蔵す」ことが最大の仕事ですが機能不足からその精が不足することは人体の成長・発育に必需な精微物質の基礎が不足することですから補腎薬の服用が欠かせなくなってきます。

e0024094_174918100.jpg 漢方では胎児をしっかりと子宮の中で安定・成長させるのは ”気”の作用と考えています。流産の前によくみられる下腹部の痛みや下墜感は気の不足によるものです。気を補う人参・黄耆が必要です。

 胎児の生育には母体からの栄養・酸素の供給が不可欠で母体の "血(けつ)”の不足は胎児の栄養不足を起こし流産の原因となります。貧血気味の人は当帰・芍薬・熟地黄などで血を補うことが大切です。これらの内容を詰め合わせたのが泰山磐石散です。漢方のバイブルに「気血虚損すれば胎を養うこと能わず、しばしば堕つる所以なり」とのべています。

 流産を繰り返すことは体に大きな負担がかかり回数を重ねるほどに次の妊娠も流産になる確率が高くなりやがて重度な不育症へと移行していきます。それを避けるために、しばらく避妊して体を休ませることが大切です。健全な母体で、健康な赤ちゃんを産むために中国漢方の理論を駆使して「健全な出産のできるからだづくり」を目指したいものです。



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by home-k | 2009-11-19 11:56 | 婦人科疾患と漢方
婦人科疾患 -不妊症・月経周期療法ー
 不妊症を漢方で!!

WHO(世界保健機構)によれば性別による不妊の原因は
  女性のみが原因; 40%
  男性のみが原因; 24%
  男女ともに原因; 24%
  原因不明   ; 11%  と公表されています。

不妊原因は女性側に起因するとされがちですが、男がらみも48%もあり侮れません。

 西洋医学的には、ホルモン剤・排卵誘発剤・人工授精・体外受精などの高度な生殖医療が盛んに行われていますが、それでも子宝に恵まれない方を多く見受けます。

 中国医学(中医学=漢方)では「”腎は生殖を主る”と定義していて、ホルモンバランスや卵胞の成長は腎(解剖医学から見た腎臓とは異なる)がコントロールしている」と考えていて、腎虚の体質のチェックが重要な要素に位置づけられています。

 さらに中医学の特徴的な理論に「気・血不足、肝気鬱結、痰湿、湿熱、瘀血(おけつ)」などがあり、体質を分別する必要があります。これらの漢方の物指しで体質を見極め、女性の体にもともと備わっている「妊娠する力」「産む力」を育む「体づくり」を漢方薬・食養生・運動でつくりあげていきます。e0024094_1434376.jpg
 その結果として子宝に恵まれる条件である「質の良い卵子と精子」「柔らかくて温かい子宮内膜」など子宮内の環境が整っていきます。

 主なチェック項目

  1  生理の周期に異常はありませんか?(正常:27~35日)
  2  生理血の色は? (正常:やや暗い赤色)
  3  生理血の質は? (正常:血液より粘稠で血塊がない)
  4  生理血の量は? (正常:60~120ml)
  5  生理痛や月経前緊張症(PMS)がつらいですか?(正常:痛みなし)
  6  基礎体温表は低温期・高温期がほぼ二層性になりますか?(正常:0.3~0.5℃の差)
  7  基礎体温は低温期・高温期の期間が短すぎたり、長すぎたりしませんか? (正常:±14日)
  8  基礎体温はほぼ36℃~37℃の範囲に納まっていますか?
  9  排卵日頃に透明で粘い おりもの がありますか? (正常:あり)
  10 舌にアズキ色の斑点がありませんか?
  11 精液の量、精子の数、精子の運動率に異常はありませんか?

 これらの項目の改善は漢方の周期療法の得意とするところです。不足は補い、余分なものは除外して、人体の基本的な構成成分である「気・血・津液・精」のバランスをとることで異常をただし、「不妊を克服できる体づくり」を目指すことができます。勿論、西洋医学の療法とも併用は可能です。

 このような中医学の理論が一人でも多くの女性のお役にたつことを願っています。






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by home-k | 2009-10-23 16:40 | 婦人科疾患と漢方
婦人疾患と漢方  陰部のかゆみ(陰痒)
 女性器の外陰部や膣内に生じる痒みのことで最近増加の傾向にあるように思います。
患部が湿潤性と乾燥性の場合があります。

 患部が湿潤性の場合(漢方では湿熱の病変といいます)

 陰部に強い痒みがあり悪臭のあるおりものが有ったり、外陰部のびらん、いらいら、口が粘る、尿が濃い、舌の苔が黄色いなどがみられます。
 多くは精神的なストレスや食べ物の不摂生により生じた湿熱の邪が肝の経絡上の通り道である陰部に滞り発症します。

 患部が乾燥性の場合(漢方では肝腎陰虚の病変といいます)

 陰部が乾燥して時々痒みやからだの熱感があり、少量の黄色いおりものを伴うことがあり、夜間に症状が酷くなる特徴があります。
 老化や慢性病などで、からだに必要な栄養物質を消耗し、またそれらが不足し肝の経絡上の陰部を潤すことができなくなり発症します。

 中国医学(中国漢方)では「諸痛痒瘡は皆火に属す」といい、痛み・痒みは熱症状を伴うのが常です。治療はの症状を冷ますことが基本です。漢方薬が奏功します。


 繁用処方;萆薢滲湿湯、瀉火利湿顆粒、茵蔯蒿湯、乙字湯、五淋散、三物黄芩湯、六味丸、瀉火補腎丸、滋陰降火湯など。




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by home-k | 2009-09-14 17:01 | 婦人科疾患と漢方
婦人科疾患と漢方  おりもの
 おりもの は帯下・こしけなどとよばれ無色透明で少量のおりものは正常の範囲です。しかし、時に今までに比べておりものの量が多い・色が黄色・臭いが気になる・陰部のかゆみや痛みがあるなどの不快な症状が伴うようならば帯下病という病変です。

 婦人科の検査で病原菌の感染やその他の病気も見つからないのに不快なおりものに悩み続けている人を多く見受けます。このような悩みの多くは西洋薬による治療効果がないことが多く、体質的なものが関与していると思われます。慢性的に繰り返す場合は体質改善することができる漢方療法が最適です。

 中国医学(中国漢方)では帯下病は「それ帯下はみなこれ湿証なり」と云っていて水分代謝の異常と診ています。それ故、漢方では水分代謝に関与する臓器の脾・肺・腎のうち脾(胃腸系)と腎の働きを正すことで体質改善を計ることができます。

 臭気をともなう帯下
  
① 湿熱(毒)の病態 脾の水分代謝障害の産物の湿に熱邪が結合したことが原因。
 生臭い臭いのある米のとぎ汁様・ヨーグルト状・黄緑色などの帯下、外陰部の強い痒み、膣内の痛み、口が苦い、咽の乾きなどがみられます。
② 肝経湿熱の病態 ①の病態にストレスやカロリー過多などの要因が気の滞りを生じ肝鬱湿熱となり肝経の経絡上の生殖器に異常をきたしたことが原因。
 粘稠で悪臭のある黄色の帯下が絶えず続いて下り、時に血が混じり陰部の灼熱感・痒みが強く、イライラ、怒りっぽい、口が苦い、胸脇部張って苦しいなどの症状がみられます。

 臭気のない帯下
 

① 脾陽虚の病態 過労や先天的虚弱・慢性病などで胃腸機能が失調したことが原因。
 鼻汁や唾液様の白色帯下が絶えず続き、からだの倦怠感・手足のひえ・食欲不振・両足背のむくみ・泥状便などがみられ、疲れると症状が増すのが特徴です。
 腎陽虚の病態 全身の機能活動の原動力である腎陽の働きが不足することが原因。
 無臭で希薄な多量の白色帯下が流れるように出る、腹部や手足のひえ・夜間頻尿・足腰のだるさと脱力感・頭のふらつきなどがみられます。

 繁用される漢方薬;五淋散、止帯湯、四妙散、茵蔯五苓散、龍胆瀉肝湯、完帯湯、八味帯下方、八味地黄丸、鹿茸大補湯などを症状に照らして使い分けます。

 上記の四ッのパターンは漢方で十分対応できますが、クラミジア・膣カンジダ・トリコモナスなどの感染症が疑われる場合は専門医の受診をおすすめします。



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by home-k | 2009-08-11 18:14 | 婦人科疾患と漢方