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カテゴリ:痛みと漢方( 20 )
過ぎたるは及ばざるが如し
 足底部痛  体験記

またまた足の痛みの報告です。

 症状; 今度は足底部(左)第三指の付け根、湧泉というツボのあたり、患部は熱感があり、腫れているようでズキズキ痛みしびれ感もあり、歩くと痛みで足をつくことができない。仕方がなくかかとで歩く。歩くたびに足底部に湿布を貼ったような違和感がある。また一昨年の坐骨神経痛のときの不安が脳裏をよぎる。

 原因; 社交ダンスのレッスンがオーバーワークだったことが引き金になったと思われる。たまたまslou fox trot(スローフォックストロット)とquick step(クイックステップ)のレッスンが週2回重なり、この種目は  Toe(トウ ・つま先)とHeer(ヒール・踵)をしっかり使い分け体重移動しないとリズムが取れないので足底筋を酷使し、ライトメタボと老化現象で筋・腱が硬くなりつつある者にとって疲れる種目。レッスン中も違和感があったが何とか無事終了し、就寝後夜半に痛みで目が覚める。e0024094_179328.jpg

 治療; 季節がら冷えと過労、加齢による筋肉と腱の機能低下からと思い、桂枝加芍薬知母湯をベースに腎経のツボ湧泉付近の痛み故・補腎薬を、また血行を改善する活血薬を加え煎じ薬を服用した。著効があり三日で歩くことができ次週のレッスンに参加することができた。

 反省; 過ぎたるは及ばざるが如し とはわが身のことで、良いこととはいえ運動しすぎも害になるということを思い知らされた。すべて中庸が大切!!。こうして時々お灸をすえられながらも動いて健康を維持していきたいものです。
 またもや漢方薬の効き目を体感でき、これもけがの功名なのかも。先人が残してくれた中医学漢方に感謝。









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by home-k | 2016-02-02 17:19 | 痛みと漢方
手指の刺痛  「治験報告」
 主訴;左手指が針が刺さるように痛む

 Y子さん  70歳  BMI :22

 症状 一週間前ぐらいから左手指の第三指と第五指が重く痛み始めた。痛みは日に日に増し、昨日から時に針で刺されるような痛みに変化してきた。夜間痛強い。患部の浮腫はないが、指を曲げると痛む。動悸、脈の結滞(代)なし。心泊数 75/分、平時より早い。心臓部位が少し痛む。舌;紅・苔なし・裂紋あり。

 不安感があるものの元気で、その他、不健康な自覚症状なし。

 治法 中国医学(漢方)では針灸などでいう ”ツボ”などの経絡学説という弁証法があり、その学説によると第三指は厥陰心包経・第五指は少陰心経の経絡の支配下にあり、その部位に集中している症状は漢方の臓腑弁証でいう ”心の病症”をうかがい知れる。このような臓腑の異常が関連する経絡に現れることを経絡現象といい、日常の病の弁証に、より裏付けを深めるために繁用されている。

 このような観点から、 ”心”に働く生薬、桂枝・人参・麦門冬・地黄・・・・・・などで益気通陽・滋陰補血し、丹参・三七人参などを加え活血通絡をしてみた。e0024094_15515175.jpg

 上記の剤で著効あり。一剤で刺痛はほぼ軽減され3日の服用ですべての症状は消失した。

部位が部位だけに病院での検査をお願いし、後日「異常なし」の報告をいただいた。

 経絡学説

中国医学で人体の生理、病理現象を解釈するのに用い、経絡は全身の気・血・津液が運行し、臓腑四肢の関節を連携し身体各部の組織器官の通絡を調節して、人体のあらゆるところに分布して各部の間を密接に連絡し生体活動を維持し続けている。






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by home-k | 2015-09-25 16:04 | 痛みと漢方
夏期の膀胱炎 毎年・夏期に再発を繰り返す
 今日は二十四節気の”大暑”の日、暦では暑さが絶頂に達するとしています。梅雨も明けた今日この頃は蒸し暑く、暑さは”熱”となり熱中症など暑さ負けの病が多くみられます。

 この時期、大気の熱は身体の水分(湿)と反応して「湿熱の病邪」となり膀胱炎をなどを多く発症します。

夏の膀胱炎の症状 排尿時の不快感は、人それぞれですが刺すような痛み、灼熱性の痛み、しみるような痛み、絞るような痛み、下腹部張痛など痛みが主症状です。その他、残尿感、頻尿、血尿、尿が濃いなども多く尿がコメのとぎ汁のように混濁することもあります。一般的に夏は、湿と熱のバランスの問題で湿より熱のほうが勝ることが多いので痛みを伴うことが多いのです。

原因 ; 前回の痔のところで述べましたように、脂っこいもののや甘味の過食、飲酒癖などカロリー過多の方は湿熱を生じやすく、そのべースに夏の陽気の湿熱の邪が相乗され発症します。さらにイライラや怒りっぽい、思慮過度などのストレスは火に油を注ぐことになり症状は強くなります。漢方では湿熱の邪が膀胱の気化力(正常な営み・働き)を失調させたとしています。

治法 ; 湿熱を裁く清熱利湿薬、清熱写火薬などを用い膀胱の気化力を回復させます。e0024094_11181967.jpg

治験例 ; 膀胱炎 7月10日ご来店 65歳の女性 BMI 22  7月8日から排尿痛、残尿感、頻尿、下腹部張痛、不眠で近くの医院を受診、尿検無菌で「猪苓湯」が処方された。5回服用もつらい症状は改善されず。今夜も、辛い症状と不眠が続くのは怖いと来店された。痛みの訴えが強く舌の状態(舌色 紅・舌苔 黄・舌形 大)小便色濃黄・量少から湿<熱の状態にあると判定。体に滞った過剰な熱を主に、湿をさばく竜胆草・黄芩・山梔子・車前子、気血をめぐらす香附子・赤芍薬などで煎じ薬を造り、猪苓湯と併用を薦めた。2回服用の翌朝、諸症状が軽減された旨のTelをいただいた。
  この方にはドクダミ茶の飲用をおすすめした。ドクダミは魚腥草・十薬・重薬ともいい膀胱の湿熱をとる働きがあります。







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by home-k | 2015-07-23 17:55 | 痛みと漢方
痔の痛みと腫れ  梅雨時
 七夕も過ぎ蒸し暑い日が続いています。この季節、肛門疾患・痔の痛みと腫れを訴える方が多くなります。

 ”腫れて痛む”のが梅雨時の痔の特徴 飽食に注意!!

外気はジメジメ湿気と暑さ(熱)に満ちていて漢方用語でいう”湿熱”の状態になつています。e0024094_18205966.jpg
また飽食の時代、普段から甘・辛味などの食べ過ぎ(熱)、酒類の飲みすぎ(湿と熱)、脂っこいものやカロリー食(熱)などの栄養過剰などのより、からだは湿・熱体質になります。

その痛み・湿熱瘀血が原因

 このようにしてできてしまった体の湿熱体質が外気の湿熱に相乗され、体に有害な湿熱の邪となり、まとわりつきます。湿気は下部に留まりやすい為に大腸や肛門の周辺に湿熱の邪が留まり、そのために体調を維持しているエネルギーである気・血の流れが悪くなり痔核を形成し、血の滞りは瘀血(おけつ)となり、しこり・痛みを発症します(不通則痛)。また、湿邪は腫れの原因となり熱邪は痛みの原因になります。さらにストレスが加重されると症状はさらに激しくなります。

治法 清熱利湿 去瘀破血 清腸(通便)

からだに滞った湿や熱を取り除き、血流を改善して肛門部の静脈の欝血を取り除き、便通を整えます。
黄芩、大黄、防風、槐角、枳穀、地楡、牡丹皮、桃仁、田七人参、紫雲膏・・・・などが多用されます。

痔は病だれの中に寺を書きますが、慢性化しやすく再発を繰り返しますので、ステロイド剤の入った軟膏や座薬などで一時的な対症療法で済まさず、漢方での根治療法をお勧めしたいものです。

自然の摂理を理論的に解明した伝統的な経験医学(中医学=日本では漢方という)に魅せられます。

  ”自然の中に薬があり、歴史の中に知恵がある”  (八ッ目製薬)

下記の当ブログにも痔についての記述があります。ぜひご覧ください。
  2006.10.31 瘀血と微小循環 ⑧外痔内痔
  2007.04.18 瘀血と微小循環 ⑬いぼ痔と漢方





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by home-k | 2015-07-11 18:26 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 闘病体験記一年経過報告
人生最大のピンチ3ヶ月の闘病

 昨年の今頃はヘルニア性坐骨神経痛発症16日目で、左下肢のあまりにも激しい痛みに前途不安な毎日を送っていた。病院の鎮痛剤も、鍼灸も、漢方薬もこの激痛には効なし。さらに、医師の”歩けなくなる人もあるョ”の一言に生きる希望も失せる日々だった。

”激痛で不眠が続く、昨夜のズキズキズキ痛みは何だ!横脛の骨をキリで刺されているようだ!痛みはmax!Am1~5時全く不眠。明け方疲れてウトウトしても刺痛で目覚めてしまう。夜に痛みが増すので夜が恐い。つかまり立ちでそろそろと歩く。(2015.05.16日闘病メモ)e0024094_16394874.jpg

主犯は腎精不足だった!!

 この痛みから解放されるのには根本療法のできる漢方しかない!の信念のもとに煎じ薬を服み続けた。
しかし期待にしたほどの効果がない。治療方針は補うのが先か邪魔者を瀉すのが後かの選択が大事なことだが、余りにも邪が強かったので瀉してしまった。
 高齢者は一般に腎精不足が常で、様々な厄介な病を引き起こしやすい。筆者も自分の老化を認めず、年甲斐もなく動きすぎていたのでいつの間にか腎精を枯渇させてしまっていたのか。
 生命エネルギーの基、腎精の不足は気・血・陰・陽すべてが不足するので代謝が落ち、生命体を維持する物質の流れが滞り、邪魔者の痰湿や瘀血を生む原因となる。漢方の痛みの原因は「不栄則痛」「不通則痛」なので栄養物質がめぐりさえすれば痛まないことになるので、腎精を補うことがメインだったのかもしれない。
 高齢者の治療は「不栄則痛」が優先しなければならないと胆に命じた。e0024094_1726638.jpg

この一年、亀板・鹿茸・海馬などで腎精を補うことを主に、麝香・牛黄などの開窮薬、濁った水湿(痰湿)や汚れた血液が滞(瘀血)らないように扶正去邪の治療を徹底しておこなった。

天人相応、季節の変化にも体がついていけたし、再発の兆しもないのでひとまず安心。先人に培われた経験医学の漢方に感謝!!。 時々こうしたお灸をすえられながら、家族に年甲斐もなく!などと言われながらactiveに歳を重ねたいものです。


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my off time
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    南紀・新宮市
by home-k | 2015-05-16 17:58 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 体験闘病記3の3  漢方治療編
この報告は筆者の坐骨神経痛の闘病記で漢方の治療方法の紹介も兼ねています。
  
病の発生の根本原因は内因にあり

中医学漢方では坐骨神経痛や風邪にしても病の発生について、機能失調或いは抵抗力の低下という人体側の面と、外来の発病因子(風・寒・暑・湿・熱など)という外界変動の面という2っの原因があると考えています。

 前者が内因で後者が外因であり、両方合わせたものが「病因」で、疾病が発生する根本原因は内因であり、外因は単なる条件であり「外因は内因があるからこそ初めて発現する」としています。 この他、様々な体質素因により常日頃体内に発生した気滞や瘀血・痰湿・浮腫などの病理的産物も病を複雑にする「発病因子の病邪」となります。

 また、発病後には人体の正気(抵抗力・免疫力)と病邪(発病因子)との力関係により病の軽・重が決まり正気の扶助と病邪除去の両面を考慮した扶正袪邪(ふせいきょじゃ)のバランスを考えた治療を行うと指示しています

 急性期の治則  急則治標 緩則治本

「急性期には、いま最も辛い症状を対象療法で治し、緩和されたら抵抗力を増すなどの根本療法を」の治療指針に従う。
 筆者の坐骨神経痛の病因は、内因として加齢による臓器の機能低下や過労などから気・血の不足をきたし抵抗力の低下状態の虚の体質になつたところに、外因として湿と熱の邪が結びついた湿熱の邪(実)が体に侵入し、さらに日頃から体内に発生していた病理的産物の気滞や瘀血・痰湿の病邪と結合し強力でしつこい病邪となり、病状を重くしたものと思われる。(初病入絡)

 急則治標  不通則痛

まずは、このような強力な湿熱・瘀血・痰湿の病邪を除くには、袪邪を主とし、抵抗力を養う扶正を従にした処方を必要とするので、気・血の流れをブロックして激痛を発している湿熱の邪に対し清熱利湿剤を、血の滞りに対し活血化瘀剤を、滞って熱化した痰湿(熱痰)に対し清熱化痰薬を配し袪邪を主にし,扶正薬の気血双補・補腎精薬を漢方エキス剤で対処してみた。

 上記の内容の処方でも激痛が軽くなることは無く10日余り経過しほんの少し緩らいたのを感じ病院に行く気力がでて整形外科を受診した。X線・MRIなどで腰椎椎間板4~5の間のヘルニアと診断され、対象療法としe0024094_13493678.jpgて鎮痛剤のボルタレン・ノイロトロピン・リリカの処方を受け服薬した。 それでも何ら改善されず急性期は何をしてもダメなことを思い知らされ痛みに耐えるしかなかった。 その後漢方薬は煎じ薬に代え、好みでない鎮痛薬は時々頓服で服用とした。

 急性期 袪邪の効果

発症から20日、これまで風呂で温まると患足の痛みが増悪し湯に浸かれなかったが20日目頃から温まっても痛まなくなった。寧ろ気持ちがいい。清熱利湿薬で湿熱の邪の勢いが減退してきた徴候で、邪にブロックされていたところが気血が通い始めたことであり、自然治癒力も回復し始めたことでもある。

 中間期 温薬を配す

25日目。お尻の痛み(梨状筋痛)が急激に改善、特製クッション円座なしで椅子に座れ生活の質が大きく改善された。これは袪邪法により病理的産物の邪が除かれ始めたことで、亀板・鹿茸などの動物薬の加入で扶正の自然治癒力の正気が増したのではないかと煎じ薬の漢方の効果を実感できた。時は丁度梅雨の季節で、梅雨前線の上下で痛みは変化し、前線が下がると冷えが増し、特に外脛横の固定痛(A点)はズキン痛が再発。A点は経絡からすると少陽胆経(末梢神経では総腓骨神経)なので温めて経絡に入る袪風湿薬・袪痰熱の生薬を増量した。

 緩解期の治則  緩則治本  不栄則痛

3ヶ月目、痛みの質が刺痛から重痛に次第に軽くなってきたので袪邪薬を減量し、気血や腎精を補い正気を増す本治(根本治療)の生薬を増量する。生命エネルギーが増えたことで、ついに記念すべき日が来た。67日目、前かがみくの字姿勢から解放された。と同時にA点のズキン痛は軽減、少しの距離が直立で歩行可になり生活の質はさらに向上した。

 初めての遠路外出 気めぐれば血もめぐる

7月26日横浜中華街で親しい漢方仲間の恒例の納涼会があり不安ながら、電車と徒歩で参加。30数年来のお付き合いの仲間たちから再発予防の貴重なアドバイスをいただいた。この漢方研究会は文殊の知恵の会で私にとっては何よりの財産。楽しい談笑の中「気」もいただき帰り道は患足が軽くなった。これはまさに「気行則血行」を体感。

後記;思いもかけず、3ヶ月の闘病生活を経験し、当初痛みで歩けないのがショックで、「早く治さなければ」の気持ちばかりが強く、焦った。Drから「歩けなくなる人もあるよ」もショックだった。
日頃、漢方薬養生をしていたつもりがオーバーワークが重なり病邪を強力なものにし、袪邪に手こずった。でも急性期はジタバタしてもダメなことがよくわかった。漢方の手ごたえを感じるのに時間がかかったが根本治療のできるのは漢方しかない!!を信じて。しびれや知覚麻痺の後遺症もなくすっきり治癒。漢方に感謝。

8~9月はウオーキングやサイクリング・ストレッチ・社交ダンスで筋力を養い、9月23日ついに通いなれた箱根・金時山1212mに登れた感激は忘れることができない。






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by home-k | 2014-12-06 17:13 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 体験闘病記3の2 症状編その2の2
 急性期の激痛の中、少しでも症状が緩和されることがないか我流で生活上の工夫をしてみました。

症状の概略
 立っても・坐っても・歩いても動作を変えると痛みが増す、仰向け寝・咳・くしゃみ・クーラーで増悪、痛みの質は灼熱感のある刺痛、夜間・早朝の痛みの加重、梨状筋・外脛に固定した激痛に悩む。

窮すれば通ず  ・・・・・・・・・希望の光

 1.大きな円座クッション
  
 お尻の痛み(梨状筋痛)で座れない日が続き、食事も立って食べる・通院のタクシーにも座れずへとへとに疲れた。或とき、”トイレの便座には痛みなく座れる”ことに気づく。なぜ?? 市販の円座ではダメなので、便座の大きさに円座を作ってみた。Very Good!2週間ぶりに座れた。特製円座は食事にも・タクシーにも・移動する先に持ち歩き生活の質が大きく改善した。

 2.サイクリング  自転車の活用

 20m先にある店の駐車場まで歩けない日が続く(50日)。30日目頃円座なしで座れるようになったので自転車に乗れるか試してみた。痛みなく乗れた!!。すっかり弱ってしまった下肢の筋力回復にサイクリングを30~40分毎日続けた。歩くと痛みは増すのにペタルをこぐ動きでは痛まない。使う筋肉・腱はいろいろ違うことに気づかされる。30日もかごの鳥生活だったので、風を切って走るサイクリングは爽快で心がヤッホーになった。
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 3.アキレス腱ストレッチ(腓腹筋 ヒラメ筋)

 足を前後に開脚(患足を後ろに)し、椅子やテーブルに両手でつかまり前のめりに体重を移動、患足のかかとが床から離れないようにする。ふくらはぎやアキレス腱が痛くなる状態で20秒静止、これを5~6回をワンクールで日に10回位おこなった。不思議なことに、最も痛みが激しく苦痛だったくるぶし上の外脛痛(A点)が数分消えるのに気づく。これは最大の発見!!。

 4.スーパーのカート

 32日目、座れるようになったので車の運転に挑戦。スーパーに買い物の手伝い。カートにつかまり歩く姿勢が前かがみになるのでA点の痛みが楽になることを発見。歩ける!!。カートを押しながら家の外で300歩も歩けた。こんなに長期間歩けなかったのは赤子の時以来?。歩けなくなるのでは?と不安な毎日だった。
カートにはすっかりお世話になり、歩ける喜びを与えてくれた。

 5.その他  ナイショ・・・ 

上記のことは回復への希望の光であり、辛い症状の改善、精神衛生上も非常に役立ち、身近なところに意外と便利グッツがあり、生活の工夫で病院でのリハビリ以上のものが有ることを学べた。



次回は漢方での坐骨神経痛の治療編を報告したいと思います。




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by home-k | 2014-11-22 12:35 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 体験闘病記3の1 症状編その2の1
 2014.05.01発症から完治までの3か月の筆者の闘病記です。
 
急性期

風薫る5月1日の早朝トイレに起きようとした時、左下肢全体に激烈な痛みを感じた。床に足をつくこともできない。その下肢痛はお尻(経穴・環跳付近)から大腿部の外側を通り外脛から指先に及び、特に外脛下部(くるぶしの上10cm位のところ:経穴・外丘~陽交付近)は焼き火箸を突き刺されたような灼熱感があり、また、ドリルで骨に穴をあけられるようで深いところを刺すような痛みを感じた。今までに経験のない激痛に戸惑いうろたえた。

 座っても、立っても、横になっても痛みは激しく、痛みを緩和する姿勢が見つからない。1時間ほどウロウロし疲れ果て横になる。しかし仰向けに寝ることができず、右下肢を下に左患足を上に重ね腰を引いて”への字”様の横向き寝が少し楽なことを発見・・・・・でも痛い。(この姿勢は50日間に及んだ)

 激痛は昼間より夜間に増悪し、朝6時前後はさらにビリビリ痛みが増した。最大の激痛地点のくるぶし上(A点)は動作を変えるときに更に増悪し、顔面は紅潮し汗ばみ思わずうめき声を発する。
イライラ・不眠が続き疲れはMAXに。ロキソニンSを倍量服用したが全く効き目を感じない。インドメタシン系の湿布や塗布薬はかえって増悪した。A点とお尻(B点)が同時に痛む時は歩行の妨げ大で生活の質に大きなダメージを受けた。(総腓骨神経の異常・経絡では少陽胆経)入浴で温まると増悪した。

 前かがみの”くの字”歩きが続き(60日間)、下肢に体重がかかるのを防ぐために両手に体重を分散して手つき歩きをするので、手掌・ひじ・肩などに痺れ痛みの二次災害を起こしてしまった。

 このような急性期の激しい症状は10日間も続いた。12日目少し痛みの質が楽になったような感じを受けたので、病態の確認のため整形外科を受診。ラセーグ徴候・FNST反射・X線・MRIなどの検査の結果、腰椎№4と№5の間のヘルニアが原因と診断される。ボルタレンなど3種の鎮痛剤が処方されたので3日間服用してみた。痛みは軽減されず耐えるしかないと観念、激痛の時だけ頓服することにして、自前漢方煎じ薬を継続した。

 ヘルニア型との診断ながら、痛み方の特徴(26.10.14当ブログ記事)を観察していると脊柱管狭窄症の症状も多々あるように思う。 前かがみ・への字型横寝姿勢は痛みが和らぎ、仰向け寝・背筋を反らす・高いとこの物を取る姿勢が痛み増し、間欠跛行などがありヘルニアと狭窄症の混合型なのかもしれない。

20日が過ぎ、漢方薬と鎮痛剤の相乗効果か激しい症状はやや軽減してきたが20m先にある店の駐車場まで歩けないのが情けない。坐れないのも辛く疲れる。これに対しては特製円座(後述)を手づくりして凌ぐことができた。

 緩解期

6月に入り痛みの性質が変わってきた。梅雨とともに湿気の影響で下肢全体が重く痛む。問題のA点は重く痺れを伴う痛みになった。歩くとズキンは不変。急性期に灼熱刺痛だったのは熱邪の影響であり、この熱邪が取れてきた証拠で一歩前進。前かがみ歩きで家の中は歩行可に。夜間痛で時々目覚める。扇風機やクーラーで痛みが増す。e0024094_13535332.jpg

7月に入るころより(60日目)前かがみ歩行が改善し始め67日目ついに 直立姿勢での歩行が可に。駐車場まで1回休みで行け、1週間後には休まず往復できた。この季節寒暖差が大きく梅雨ひえの日は痛みが増したが終日痛むことはなく着地ズキン痛もなくなった。時にはモグラたたきのように重い痛みが下肢のあちこちに出没した。

 2ヶ月半がすぎ衰えた筋力を養うべくウオーキングを始め、400m・600m・1000mと日増しに距離を延ばし7月下旬には1000歩10分のペースで歩くことができた。急性期には完全回復は無理で車椅子生活の夢を見ていたことを思うと、想像もできない回復ぶりに嬉しくて、つい歩きすぎてしまった。この筋力の回復には早くからのリハビリを兼ねたサイクリング(後述)もよかつたのではないかと思う。歩きすぎで翌日痛みが増すこともあったがほぼ痛みから解放された。

 整形外科で鎮痛剤の処方を渡されたとき、これは対象療法で根本治療はOPEとDrに告げられた時、根本治療は漢方には正気(抗病力・自然治癒力)を増すことができる治療法があり、今までの店頭治験から、これに期待することを心に誓ったことを思い出した。中医学漢方のこの扶正袪邪の治療法を後世に伝えてくれた先人の知恵に感謝。脱帽!!。

反省;油断大敵

 思い起こすと前年の2月頃同じ場所に坐骨神経痛様の症状があったが日常生活に支障がなく漢方薬の服用で治り気にしていなかった。しかし激痛発症10日前社交ダンスのレッスン時、左下肢に異様な痺れ痛みが走った。ライトメタボの者にはQuick stepはきつい。そして4月末のゴールデンウイークに南紀・熊野方面にドライブ(1150km)後の翌々日に発症したことからして、これらが腰に負担を掛けたことに違いない。正気の不足に気づかず体力を過信していたことで、とんだお灸をすえられてしまった。 


次回に急性期,緩解期の症状緩和に役立った我流アイデアを記したいと思います。




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by home-k | 2014-11-20 15:22 | 痛みと漢方
坐骨神経痛の西医と中医学漢方解説
 坐骨神経痛は腰椎No.4・5、仙骨のNo.1・2・3の間から出ている坐骨神経にそって走る神経の痛みです。この神経は人体で最長最大の末梢神経で腰下部から大腿部後面・足部にかけての広い範囲の知覚をつかさどっているために、この神経根を刺激されると片側の臀部・大腿部の後面・ふくらはぎ・外脛(そとすね)・かかと・くるぶしの方まで激しく痛み・しびれが響くようになります。

 原因としては、椎間板ヘルニア・変形性脊椎症・脊柱管狭窄症・梨状筋症候群・仙腸骨関節の異常・腫瘍等々があり、セラーグテスト・FNSTテスト・x線・MRI画像などにより診断されます。
このうちヘルニア型や狭窄症型およびその混合型が多いようです。

 対症療法として痛みや炎症を抑える鎮痛消炎剤・筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤・末梢の血流を改善する末梢血管拡張薬・神経組織の回復を促すビタミンB12などの薬物療法や痛みの発生源の神経に局所麻酔薬を注入し神経を麻痺させる神経ブロック療法、ヘルニアなどを切除する手術療法などが行われています。

 坐骨神経痛の様々な症状にも病状の分類情報がある 

 1.腰痛を伴う下肢痛
 2.安静にしていてもお尻や下肢が痛む
 3.椅子に座るとお尻の痛みが増す(ヘルニア?)
 4.立っていると下肢の痛みが増す
 5.歩いたり動くと下肢の痛みが増す(混合型?)
 6.痛い部分に冷感・熱感・だるいがある
 7.少し重いものを持つと痛みが増す(ヘルニア?)
 8.仰向けに寝られない(狭窄症?)
 9.背中をそらせると痛みが増す(狭窄症?)
10.前にかがむと痛む(ヘルニア?)。楽に(狭窄症?)
11.背中をそらせても前にかがんでも痛む(混合型?)
12.咳やクシャミをしても痛む(ヘルニア?)
13.横を向いて(への字形寝)背中を丸くして寝ると痛みが楽(狭窄症?)
14.脚力が弱くなり転倒しやすくなる(OPE対象?)
15.下肢の痛みのほかに排尿障害がある(OPE対象?) 等々

 痛み方にも痛みの質の情報がある

 1.クーラーや寒いと痛みが増す(寒邪) e0024094_15265639.jpg
 2.重だるい痛み(湿邪)
 3.張るような痛み(気滞)
 4.引きつるような痛み(血虚)
 5.しびれたような痛み(血虚)
 6.しくしくするような痛み(血虚)
 7.刺すような痛み(瘀血)
 8.夜になると痛みが増す(瘀血)
 9.いつも同じ場所が痛みしこる(瘀血)
10.ズキズキする痛み(瘀血・湿熱)
12.ひりひりする痛み(熱邪)
13.灼熱感のある痛み(血瘀化熱・湿熱)
14.痛みが動き回る(気滞) 等々

 中医学漢方の考え

漢方では坐骨神経痛を”痺症(ひしょう)”といい痺とは詰まって通じないという意味で”不通則痛”(通じなければ痛む)と表現しています。詰まって通じない原因は自然界の風・寒・湿・熱などの邪が素体が抵抗力が落ちている(虚)ときに人体に侵入し経絡に滞り、そのために”気(エネルー)”や”血(栄養物質)”が廻らなくなり組織を養えず痛みが生じると考えています。

 このように本病の発生には内因と外因があり、肝と腎の働きや気血のパワーが共にイマイチの正気の不足が内因であり、風寒湿熱の邪が外因であるとしています。
 それ故、漢方での根本療法は体内に侵入して停滞している寒・湿・熱邪などを追い出すことから始めこれらの外邪を再び侵入させないように正気である内因の虚を補強する扶正袪邪の治療法を応用し対処します。正気が蓄積されれば再発は無く、豊かな健康生活を保つことができます。

 しかし、正気の不足が激しいことに気づかず治療の機会を失し、或いは誤治により病が長期化し、気血の流れが長期に亘りスムースに行かないと ”血は滞って瘀血(おけつ)となり、湿は凝って痰湿となり瘀血と痰湿は互いに結びつき厄介な痰瘀(たんお)となり、又、外邪と結びつき経絡を塞ぐことになり深く関節の接合部に侵入し、まとわりつき離しがたくなります。” この状態になると高度なテクニックを要し治療に月日が必要になります。

 中医学漢方は中国3000余年に亘り人々の健康に大きく貢献する過程で病気の予防や治療について豊富な経験を蓄積した人類にとって貴重な安心安全な財産といえます。未病のため健康寿命を維持するためにも必ず役立つ医療であると確信しています。



次回、筆者の坐骨神経痛闘病記をUPしてみたいと思います。

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by home-k | 2014-10-22 15:03 | 痛みと漢方
痛みの原因と漢方理論
   ”通ぜざれば痛む”

 漢方の原典「黄帝内経素問」に痛みやコリは「痺症ひしょう」に属し、”痺”は「ふさがって通じない」という意味があります。何らかの原因で経絡(けいらく=栄養を運ぶ道)に気(き=全身を廻るエネルギー)や 血(けつ=血液とその働き、栄養物質)が流れなくなり塞がると、それが痛みを引き起こすというのが漢方の考えです。
 
 漢方ではこの状態を ”不通則痛”といって「通ぜざれば痛む」と表現しています。
中医学漢方では ”風ふう””寒かん””湿しつ”などの外邪(外因=環境因子)が経絡(つぼ)の流れを塞ぎ痛みを引き起こすと考えています。

 風・寒・湿につけ込まれるのは自分の体力の虚弱(正気不足=内因)にあり

 では、どうして気・血が滞るのか。その根本原因は主に体質が虚弱で気血などの正気(環境因子に対する人体の防衛能力)が不足しているためです。正気の不足に乗じて外邪(外因)である風・寒・湿などの邪が身体を襲い、皮膚、筋肉、関節などを侵します。その結果、疼痛、だるさ、こり、しびれ、腫れなどの症状が現れてくるのです。
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  痛みをもたらす邪(原因)によって症状は異なる 

 以上のような原因で「痺症」の痛みやこりが引き起こされるのですが、その症状は原因によってそれぞれ異なります。
● 風邪(ふうじゃ)が原因となる「風痺ふうひ」は痛みがあちこちに走ったり、しじゅう起きたりする疼痛としびれのことで発病初期に多い症状です。

● 寒邪(かんじゃ)が原因となる「寒痺かんぴ」は同じ場所が痛む、固定性の激しい痛みで冷えると痛みは強くなります。

● 湿邪(しつじゃ)が原因となる「湿痺しっぴ」は身体や四肢が重く、だるく痛み動かすのが苦痛

● 熱邪(ねつじゃ)が原因となる「熱痺ねっぴ」は痛みと共に赤く腫れたり、熱を持ったりし風、寒、湿の邪が長く続いたときや体質により炎症をおこすもので、急性・慢性関節リュウマチ、関節炎などに変化することもあります。

これらの邪は単独で現れることは少なく、寒と湿・湿と熱が結びついた複合症状になることが多く、症状の分別が必須であり、生薬の選定も複雑になります。発症場所も皮膚の間に滞るものや筋肉の間に滞るものがあり場所により治りやすいもの、治療に時間を要する場合があります。
 このほかの邪に病理的産物である血の滞りの瘀血(おけつ)、体内に貯留した異常な水液である痰湿、ストレスなどから発生する気滞などもあり病状は複雑になります。この病邪については後日に記したいと思います。

  中医学漢方による治療法 

 中医学漢方では痛みの根本原因は正気不足で機能失調或いは抵抗力の低下という「内因」にあり、外界変動による「外因」は単なる発病条件とみていて「外因は内因を通じて初めて発現する」と考えていますので、治療原則は内なる正気を扶助し外からの病邪の除去の両面を考慮した扶正袪邪(ふせいきょじゃ)を行います。扶正をすることで単に痛みを止めるだけの対症療法でなく痛みの発生源を手当てする根本療法であるということができ、再発を防止することができます。

3000年余の漢方医療の治験に裏づけられたこの素晴らしい理論を、QOLの改善に、また健康寿命を長らえるためにお役立ていただきたいものです。





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by home-k | 2014-10-05 12:28 | 痛みと漢方