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味な話(4)  薬膳の知恵(体質に合った食べ物、食べ方)

 街を歩いていると「薬膳料理」の看板を目にすることがありますが、普通の中華料理店に較べ、高級食材を使って、大変高価な料理に見受けられます。

 薬膳とは
 漢方栄養学をもとに生まれた食文化で、人それぞれの体質や、日々の体調、春夏秋冬の季節などに合わせて、食物の特性を生かし、組み合わせを考えて調理する食事のことです。

  漢方栄養学とは
   西洋栄養学の蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの
   栄養素をバランスよく摂ることは勿論のこと、漢方栄養学ではさらに
   食物の素材に「温める、冷やす」などの特性があり、又、「酸味、
   苦味、甘味、辛味、鹹(塩)味」などの五味があり、それが人それぞれ
   の体質や内臓に影響を及ぼすと考えています。

  自分の体質を見分ける
   体質は人それぞれ、「冷え性、暑がり」などの方があります。
   「冷え性の人」は、寒がりで顔色が青白い、温かい飲み物を好む、
   手足が冷える。
   「暑がりの人」は、暑がりで顔色が紅潮している、冷たい飲み物を
   好む、体が熱い。
   冷え性の人は温める食材、暑がりの人は冷やす食材を摂ることは
   当然のことです。冷え性の人がニンニク、ショウガ、トウガラシを
   食べると温まる様に。

  季節によりからだも変化する
   かなり冷え性の人でも夏には暑い陽気を受けて、冬ほど冷えを感じ
   なくなり、暑がりの人も冬には寒冷の陽気を受けてプラス・マイナス・
   ゼロとなり過ごしやすくなります。冬が好き夏が好きという人はここに
   基があると思います。
   冷える人は秋冬には温性の食物、暑がりは春夏に寒涼性の食物が
   必要となります。

  食材の味を吟味してみる
   レモンは酸っぱい、ニガウリは苦い、サツマイモは甘い、トウガラシは
   辛い、塩は塩からいように食物の素材には独特の味があります。
   この五味がそれぞれの内臓に働くと考えていますので、酸は肝、苦は
   心、甘は脾(消化器)、辛は肺、塩は腎の働きを整えます。
   その摂りすぎや不足は臓腑の働きを悪くします。
   例えば、甘いものを摂りすぎて「胃のもたれ」「食欲不振」の経験を
   されているように。(甘味の過剰摂取は消化器系の働きを悪くする)

 上記のように、漢方栄養学では食べ物の性質や味がからだとの関わりを持ち、内臓に活を入れています。
 医食同源(医療も食べ物も源は同じ)という言葉がありますが、漢方薬の原料である生薬も食べ物と同じ考えですので、その語源はここにあるといえます。

 薬膳料理は中国の宮廷料理が源といわれていますが、当時、皇帝に仕える医者の中でも病気を治す医者よりも、皇帝の食べ物を考える食医が最も位が高かったことを考えると食文化をいかに重視していたかがうかがわれます。

 たまに食べる高級薬膳料理だけが薬膳ではなく、私どもの日々の食生活の中に薬膳を取り入れていくことが健康づくりの基本であり、最高の養生法であることは間違いありません。家庭薬膳料理を提案いたします。

(追補)
 生命力のある食べ物を食べよう

  種を蒔くと生える、又、葉をつまんでもすぐ生えてくるなど逞しい食物が
  沢山あります。
   1.種子類や豆類、有精卵などは次世代の生命を生むのに必要な
     エネルギーを個々に持っています。生命力のかたまりともいえます
   2.温室栽培された野菜より旬の露地もののほうが生命力が強い
   3.ニラ、ネギ、アシタバのように根さえあればつまんでもすぐ生えて
     くる野菜などは力強い生命力があります

 我が家の自家菜園のハネギには一年中お世話になっています。
by home-k | 2005-09-26 16:54 | 食養生
味な話(3)  -薬味(やくみ)-

 和食に付きもののおさしみ(刺身)。真っ白なダイコンの千切り、緑のシソ葉、ピンクのシソ花、黄色の菊の花、それにワサビを配した器は美しく膳の花と云えます。
 又、冷奴はかつを節や葱、ミョウガ、おろし生姜などをのせて食べるのも素朴な日本の味です。

 主役は刺身では魚介、冷奴では豆腐に違いありませんが、脇役であるツマが今日は主役です。

 ツマは単なる飾りではなく、薬味(やくみ)とも云われ、主役には無くてはならない存在です。
 この大切なツマ(薬味)にも漢方の知恵が生かされていて、ワサビ、葱、ミョウガ、ショウガなどのピリ辛は冷やす性質のある魚介や豆腐に対して胃腸を暖め消化力を増し、蛋白質の腐敗を防ぎ、又、ダイコンのピリ辛は主役の蛋白質の消化を助け(ジアスターゼ)、カロリーの熱を抑えます。
 シソの葉や花は魚介類の毒消しに働き、防腐殺菌の作用があり、菊の花も又、その苦味で厚味の食べ物の熱をさまし解毒する働きがあります。

 こんなことも漢方を学んで初めて気付き理解できました。
 料理の世界も奥が深く先人の知恵に感心感謝し、日本の食文化を大切にしたいとつくづく思います。

 しかし、こんなに素晴らしい仕掛や工夫のある料理ですが宴会などで刺身皿を見ると多くの方がツマ(薬味)を残しているのを目にします。
 漢方の知恵を学んだものにとっては残念なことです。
 薬味を一緒に食べない人は、せっかくの料理もからだに有効な形で消化されず、ヘドロ化することでしょう。
 その結果の転失気の香りは最悪となるのは必定です。

 西洋栄養学では栄養素を脂肪、蛋白質、糖質、ビタミン、食物繊維などに分類し、バランスよく摂るようにすすめていますが、西洋栄養学だけでは説明がつかないパワーが食物には秘められています。
 漢方栄養学(薬膳)では全ての食べ物には味(酸・苦・甘・辛・鹹)があり、それぞれの味に特有の効能があると考えています(後日詳記)。

 五つの味は内臓に様々な働きかけをします。更に体を温めたり(例、トウガラシ)、冷やしたり(例、ハッカ)する作用もあり、冷やす性質のものを食べるときは、温める物(薬味)も食べるようにしてバランスを取ります。
 刺身には辛味と香気を利用したワサビ、シソの葉などはその典型で素晴らしい組み合わせといえます。

 食養生は西洋栄養学に漢方の知恵の栄養学を取り入れることで最高の養生法となることは確実です。

 *次回以降の予告:体質に合った食べ物、食べ方
by home-k | 2005-09-19 22:39 | 食養生
味な話(2)  -ツブあん“おはぎ”ダイエット-

 和菓子の美味しい季節になってきました。
 和菓子といえばアズキ(小豆)、小豆を細工した芸術的なお菓子が沢山店先に並んでいます。
 今日はその“小豆あん”について書いてみました。

 あんには“ツブあん”と“こしあん”がありますが、多分、人それぞれの好みで何気なく食べていたのではないかと思います。
 ところが小豆には思いもかけない秘密な働きがあったのです。。
 漢方薬としても“むくみ”や“利尿”にかなり使用されていて、小豆の皮の部分がとくに、その働きがあるとされています。
 甘い物を食べると飲物を摂りたくなります。その結果、水分代謝の悪い人は“むくみ”となり、やがて中性脂肪に、そして肥満にエスカレートしていきます。
 甘味はゆるむ性質があり、太りにつながります。

 でも、ここで漢方の知恵を応用すれば大丈夫!!
 “小豆あん”には緑茶が合います、しかも濃い目の苦いものです。
 この茶の葉も又、漢方薬として多用されていて、小豆と同様に解毒・利尿の効果があります。
 苦味は新陳代謝を促進しますので、余分な水分を追い出します。

 ですから、太りたくない人、ダイエット中の人は食べるのなら“ツブあん”、お茶は濃い目の緑茶の組み合わせが良いことのなります。
 くれぐれも淡いお茶や、こしあんだけしかない甘味処には近寄らない方が身のためです。
 ダイエットの出発点はこんなところにも有ったのです。

 秋の彼岸には“ツブあん”のオハギと濃い緑茶でティータイムしましょう。
by home-k | 2005-09-12 14:06 | 食養生
味な話  -酒と肴-
 お酒の美味しい季節になりました。湿気の多い夏とは違い空気も澄んできて、月もクッキリ、月見酒もいいですね。

 最近の日本酒は甘口が多くなり辛口が少なくなってしまいました。
 本来「酒呑みは辛党」というように、上戸には辛口好みが多いように思います。
 酒呑みは味音痴と云う人もいますが、適度な酒呑みの味覚ほど確かなものはありません。
 酒呑みがうるさいのは酒の甘・辛だけではなく、酒の肴を選ぶにもそうです。日本酒の肴に甘いものでは酒が進まず、塩からいものや酢っぱいものが合います。でも長い酒席ですと、塩や酢の味だけでは物足りなくなり、何か探すと、意外にもニガウリ、ギンナン、ふき、タケノコなどのほろ苦い味が合ってきて、また酒が美味くなります。
 これは酒呑みが味音痴ではない何よりの証拠です。

 外国でもアルコール度数の高い蒸留酒を飲むときビッター(苦味酒)をコップにたらすのもこの原理です。
 ビールなどは、その点、大変うまく味覚を調合したお酒といえます。ビールにはホップという苦味が入っていて、この苦味がアルコール分を解毒し利尿するので、からだの熱を冷まし悪酔いを防いでいます。
 水だったらこんなに飲めないのにビールだと何リットルもの水分が入ってしまいます。
 ビールはその味覚の原理をうまく使っているのです。

 漢方では辛開苦降(しんかいくこう)という水分代謝を改善する治療法がありますが、これは辛味でめぐりを良くして、苦味で解毒利尿するという考え方です。
 日本酒に限らず辛いものを口にする時は、苦いものも一緒に摂ることが食養生として大切なことです。
 二日酔いの薬などもこの原理で調合すると、漢方薬と云えどもビックリするような即効があります。

 日常の生活でも、自然界の甘い・辛い・塩からい・酸っぱい・苦いの五つの味を上手く組み合わせると、生活習慣病を予防し、明日への活力を養うことができます。
by home-k | 2005-09-05 21:41 | 食養生