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お血と微小循環障害Vol.28  -白にきびー
 これまでの三回、難治性の「赤いにきび」を漢方で考えてみましたが、今回はやはり難治性の「白にきび」の漢方的な治療法を記してみます。

 にきび(尋常性痤瘡)の病変は皮膚表面にあるので表面的なトラブルのように見えますが、じつは気の異常(自律神経)やホルモン系を含む内臓の異常などのかかわりが非常に深い病変であり、腰をすえた治療が必要なのです。それ故、中医学では「皮膚は内臓の鏡」と表現しています。

 数万円もするニキビ用の化粧品・エステ・健康食品などの甘い言葉につられて治療?してみても治らないのは当然です。洗顔が基本とかいいますが毛穴の汚れは結果であり、高価な洗顔クリームで汚れを落としてもきりが無いことで、汚れないようにするのが漢方の根本療法です。

 赤ニキビは血熱が肌膚に滞ったために発症するのに対し、白ニキビは中医学(漢方)では体力が不足気味の人に多くみられます。元気がない、疲れやすい、食欲がいまいち、顔色にツヤがない(このような症状を漢方では気血不足という)などをともないニキビは赤みが少なく・皮膚色の丘疹・しこりが散在し、ときには内部が化膿することもあり、なかなか手ごわく治りにくいのです。

 これら気血不足の原因:赤ニキビが長く続き血熱で血液本来の働きができなくなつたり(耗血)、抗生物質や消炎剤の長期服用による内臓の損傷或いは過労などが考えられ体の基本物質の気・血の不足が肌膚の邪を追い出す力が無いことに起因します。

 白ニキビの治療:元気をつけ機能を促進し、血(けつ)を滋養することにより治癒能力を高める補気・補血をメインに、血をイキイキさせる活血薬(微小循環障害の改善)を配合することで皮膚表面への気血の送り込みを高め、お肌のターンオーバーを促進します。黄耆・人参・白朮などの補気薬、当帰・芍薬・熟地黄・くこの実などの補血薬、川芎・紅花などの活血薬などを基本に処方します。

 ニキビには大別して白ニキビ・赤ニキビがありますが使用する漢方薬は異なります(虚・実の違い)ので注意が必要です。漢方専門薬局にご相談ください。必ず治ります。

 

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My off time      伊吹山    ’08.7.21  
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 コオニユリ(ゆり科)  鱗茎を漢方では「百合(びゃくごう)」といい繁用される
                           
by home-k | 2008-07-31 17:43 | お血(おけつ)
金時山の花  Vol.42
 2008年07月25日(金)am6時、足柄峠口。既に4台の車有り、歩き始めて5分もしないうちに下山者に会う。一人歩みを進める。静けさの中に小鳥達のさえずりが心地よい。金時山頂はガスの中、期待の富士山は霧の流れの中に見え隠れしている。今日も多くの人たちが富士登山に挑戦していることでしょう。

 今日出会えた花たち
     ヤマトウバナ(トウバナ属 しそ科)
   
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     キンレイカ (オミナエシ属 おみなえし科) 早くも秋の花が。
   
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     シモツケソウ(シモツケソウ属 ばら科) お寿司の彩りに使う桜でんぶを思い起こすピ ンクのきれいな花です
   
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 奇麗なアサギマダラ蝶(渡り蝶で有名)が今年も長旅をして避暑に帰ってきてくれました。
   
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 登山道ではヤマユリの大きな蕾がはち切れんばかりになり開花寸前ですし、タマアジサイの花もチラホラほころびはじめています。オトコエシも咲き始め秋の気配を感じます。

 今日、小田原地方は36.2度Cで蒸し暑く不快指数100です。湿熱の病に要注意です。



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by home-k | 2008-07-26 12:43 | 箱根・金時山の花
my off time  Vol. 1  ー伊吹山ー
 薬用植物の宝庫・伊吹山へ

7月20・21日の連休に50年来念願の伊吹山に行ってきました。薬学生の頃、薬用植物の研究で伊吹山登山が企画されましたが諸事情で参加できませんでした。漢方専門薬局を営んでいる今、生薬原料に毎日触れるたびにこのことが思い起こされていました。山にちなんで「伊吹山のもぐさ」などの有名品もあります。

 百名山のひとつ伊吹山は薬用植物の多さでは日本一といわれていますが、これは戦国の武将・織田信長の指示でポルトガルの宣教師達が外来種を含め多くの薬用植物を植えたことに由来するとのことです。

 頂上(1377m)付近は全てお花畑で百花繚乱とはこのことなのでしょう。これだけの規模のお花畑は他には無いのでは?。
メタカラコウ、シシウド、クガイソウ、シモツケソウ、イブキジャコウソウ、キバナノカワラマツバ、ヤマホタルブクロ、キバナレンリソウ、ウツボグサ、カワラナデシコ、ミヤマコアザミ、オオバギボウシ、ヤマユリ、コオニユリ、イブキトラノオ・・・・・・・などなど。
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下界は晴れて暑い日でしたが山頂はガスで涼しく快適で、多くの花たちに永い念願の思いを十分に満たしてくれました。人生の宿題をひとつ減らすことが出来ました。


 ♪ われら今共にうたうは 若き日の思い出
   
    感激に心燃やしつ踏みわけし山渓

    年経へれどもその思いは 今なお新らし

    さらば友歌をおくらん はるかなるみ山に 

                    思い出の山の調べ より     



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by home-k | 2008-07-25 21:49 | my off time
金時山の花  Vol.41
 2008年07月12日(土) 今日は朝から晴れ間がのぞき富士山が奇麗に全容を見せてくれています。自宅出発時23度C(Am.05時)の蒸し暑い気温は現地では18度C、朝の冷気が身を引き締めてくれとても気分がいい。この温度差が私を早朝登山に駆り立てるのです。山頂はさらに涼しく下山するのが残念です。

 今日、出会えた草花は

  カワラマツバ(ヤエムグラ属あかね科)
    
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  シロバナイナモリソウ(イナモリソウ属あかね科)
    
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  ヤマボウシ(ミズキ属みずき科)
    
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    今年はヤマボシの当たり年でまだ咲き続け、緑の山肌にあちこちに白くその存在を示しています。

  今日も清気をイッパイ頂いてきました。9時開店。



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by home-k | 2008-07-15 16:27 | 箱根・金時山の花
身近な薬用植物 その1 半夏生の日   
 半夏生の日 -のどの痞え(つかえ)の特効薬

今日七月一日は半夏生(はんげしょう)の日です。二十四節気をさらに刻んで七十二候のひとつで半夏という薬草が生える季節からきていてます。田植えを終えるなどの農作業の暦としても使われています。

 我が家の自給率改善に貢献してくれている坪菜園に、どこから来たのか半夏の薬草・からすびしゃく(サトイモ科)がタイミングよく生えていました(写真)。この地下茎の球茎を漢方では「半夏」といいます。健胃・消化・鎮吐・鎮咳・去痰などに繁用され、中医学(漢方)では温化寒痰薬に分類されていて温めて水(痰)をめぐらせる働きがあり無くてはならない生薬です。

ハンゲ はんげ属 サトイモ科
 
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 この球茎の「半夏」を生薬問屋から仕入れたときは大忙しです。かじってみると喉がいがらっぽくなり,えぐみが残るので水で晒し、生姜・明礬で晒したり乾燥させたり3~4日がかりで、毒性や刺激性など副作用を軽減する作業があり、体に優しく作用するように加工します。これを中医学では炮製(ほうせい)といいます。生薬の炮製にはこの他、酒につけたり、蒸したり、蜂蜜でからめたり、炒めたりして煎じ薬を安全に服用していただくのに大変な作業があります。毒消しまで指示している先人の知恵に脱帽です。

  のどの痞え(つかえ)の特効薬 半夏

 最近「のどの痞え」を訴える人が多く来店されます。このような人に半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が良く効きます。この症状を「梅核気」といい気と痰の滞りと診ています。厚朴を配することで気をめぐらせ、半夏の水をさばきを助ける名処方として気分がふさいたり、咽喉・食道部の異物感、不安神経症、つわりなどにも応用されています。
漢方の古書によれば ”よく痰を治すものは、痰を治せずして気を治す、気順ればすなわち一身の津(からだの水液)もまた気に随いて順る” と説いています。

 その他、半夏が主薬の処方に、めまいなどに半夏白朮天麻湯、食欲を増す六君子湯、不眠に温胆湯、胃のつかえに半夏瀉心湯など多くの名処方があります。痰の病は西洋医学では難治ですが漢方はこの分野に優れた治療実績があります。



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by home-k | 2008-07-01 18:21 | 身近な薬用植物