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北京中医医院研修 参の弐 -薬膳料理ー
 AM.の外来臨床実習が終わり、お楽しみ昼食は薬膳料理です。中医栄養学の教授が心を込めて作ったという料理を解説付きで院内の食堂でいただきました。

 まず出てきたものは、サソリのから揚げ(写真1)。恐る恐る食べてみましたがサワガニのから揚げの食感に似ていて無味で、何とか胃袋に収まりましたが・・・。サソリは漢方薬では全蠍(ぜんかつ)といい瘀血(おけつ)性の痛み・熱性痙攣や顔面神経麻痺などに繁用されます。

 次はエビを白芍薬で煮たもの(写真2)。これは大変美味しい料理です。芍薬は養血薬として超繁用されています。

 次は牛のペニス(写真3)。説明されなければ食べてしまったかも知れませんが箸が出ませんでした。半数の方が食べて美味しいとの評で、精力がつくということです。 

 次から次へと二十数種類の薬膳料理のオンパレードでどれも漢方薬が隠し味のように料理に溶け込んでいますので、薬臭いというものではなく食べやすいものでした。

 ???のスープやカボチャのデザート(写真4)でようやく終わり。
 很好吃!?。満腹・満腹。
  写真 1  サソリの料理
  
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  写真 2  エビの芍薬煮
  
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  写真 3  牛のペニスの料理
  
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  写真 4  南瓜のデザート
  
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  豚足
  
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  薬膳とは中医栄養学を基礎に生まれた食文化で個人の体質や体調、季節などに合わせて食べ物の特性を生かし、組み合わせを考えて調理する伝統的な食事のことですが、あまり難しく考えずに家庭でも気軽に応用していくといいのではないかと思います。
 これから寒い季節、家庭でも鍋料理が多くなります。クコや松の実などをいれることで立派な薬膳料理で養生食になりますのでお試しください。一食一食への気遣いが健康な体をつくり上げます。




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by home-k | 2008-11-29 12:00 | 北京中医医院研修
中国・北京中医院研修 参の壱
 2008年11月22日~25日の四日間お店を休んで、中国伝統医学(日本では漢方という)のメッカである北京中医医院(大学病院)に短期実習にいってきました。

 超有名内科教授・劉 金城老師の外来に参加させていただき、8人ほどの患者の診察に接してきました。一人の診察時間は平均20分ほどで患者の主訴にたいして、感心するほどの的を得た問診と脈診、舌診で診断を下し煎じ薬を中心に7日間の投薬をしていました。

 医師に聴診器はつきものですが中医師はそれを使わずに前述の診断法で体の異常を診ます。必要に応じて現代医学的な検査の裏付けも指示し参考にされています。一日量は200グラム前後で日本で使われる量の十倍近い量でビックリし、体質の違いを思い知らされました。日本人は胃腸が弱いのでこんなに多くの量はとても服めません。

 薬膳料理の昼食の後、午前に診た患者をどのように診断し、なぜこの薬を使ったのかの説明が劉教授から細かくあり(中医学ではこのことを弁証論治といいます)その的を得た問診と選薬の妙に、同道の者一同感心しきりでした。生薬の種類は少なくグラム数は多いのですから、処方の切れ味は素晴らしいのではないかと思います。

 外来診察室、下の写真の左から一人目が修士課程二年生の研修医、三人目が劉教授、四人目が私、黒い服は患者さん。
   
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 調剤室、天秤はかりを器用に操り早業で仕事をこなしています。
   
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 600種もの生薬が用意されていて、当院にしかないものも数種あるとのことです。
   
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 漢方薬局を日頃営んでいる者にとって、こんな研修は大変刺激になりいい勉強になります。これを糧に、自店でも病に悩んでいられるお客様の治療のスピードアップにお役にたてればと思います。



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by home-k | 2008-11-27 18:14 | 北京中医医院研修
お血と微小循環障害Vol.31 ー月経血の観察・色と量ー
 中医学(漢方)では生理血の色・質・量などを観察することは、漢方的な体質を判断する上でとても大切なことです。これらが正常範囲を外れていれば、生理不順とみなしています。(基準は前頁Vol.30を参考に)

 経血の観察は月経量の最も多い2~3日目の経血を基準とします。色が淡色系と濃い色系に分類してみました。8分類あり、その特徴を記してみましたが、実際は他の項目と重複することが多いののではないかと思います。

 ① 経血が淡色傾向
  
   経血の色 経血の質  経血の量  特徴    漢方的体質分類

 A 淡紅色   希薄    多い   疲れやすい    気虚
 B 淡紅色   希薄    多い   寒がり      陽虚
 C 淡紅色   希薄   ごく少ない 目疲れる     血虚
 D 淡     粘稠    少ない  おりもの多い   痰湿
 E 淡紅・暗紅 希薄   ごく少ない 腰だる痛い    腎虚 
 F 淡暗紅  希薄・血塊  少ない  下腹・腰腿冷える 寒凝 

 ② 経血が濃い傾向

 G 鮮紅・紫紅 粘稠    多い   暑がり      血熱
 H 暗紫紅色 血塊多い   少ない  刺すような経痛  瘀血 I 暗紫紅色 血塊多い  多・少不定 下腹張る痛み  気滞瘀血


 一般的に、経血の色が淡いことは、気や血の不足、冷え、加齢などで体に力がないことを示し、濃いことは体に不要な熱や血の滞りがあることを推察することができます。


 以上の各項目をチェックしてみて、思い当たることがあれば心に留め置いて中医学を研鑽している漢方薬局に、ご相談をおすすめ致します。


  次回は、生理周期の異常について記してみたいと思います。

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by home-k | 2008-11-20 13:47 | お血(おけつ)
金時山の花  Vol.47
 ’08.11.09 (日) 足柄峠口から
秋も深まり、こちら側からの登山道はイネ科のウラハグサが多く自生していてその黄葉(紅葉)が見事に色づいています。この一週間が見ごろかと思います。

 今年も沢山の奇麗な花を咲かせて楽しませてくれた金時山の花たちも、立冬を過ぎた今その競演は店じまいです。来春までしっかり冬眠してまたいい花を見せてください。

 葉が茂り、花が咲き、実をつけて自然の営みは静かに変化していますが、今日は大変うれしい出会いがありました。それは毎年探していたキカラスウリの果実に出会えたことです。目利きでない小生には探すすべも無く今年もダメかと諦めた矢先、金時山のことは全てご存知で花たちの住所録?をお持ちの超ベテラン・日比野市郎さんからお電話をいただきその在りかを教えていただいたのです。

 調剤室では生薬としてお目にかかれますが、原植物は知らないことが多くなかなか結びつきません。最近はこのことを勉強しなければと思っていますので大変ありがたい電話でした。

 キカラスウリは漢方薬としても繁用されていて、果実は生薬名・栝楼(かろ)といい去痰に、根茎は栝楼根(かろこん)といい肺や胃の清熱に使います。また根茎はでん粉質が多くその粉末を天花粉といい湿疹や幼児のアセモなどに外用されていました。今ではベビーパウダーと姿を変えていますが本をただせばこれだったのです。

  キカラスウリ  (からすうり属 ウリ科) 果実
    
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 日比野さん、おかげ様で宿題が一つ減りました。ありがとうございました。




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by home-k | 2008-11-15 15:33 | 箱根・金時山の花