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手指の刺痛  「治験報告」
 主訴;左手指が針が刺さるように痛む

 Y子さん  70歳  BMI :22

 症状 一週間前ぐらいから左手指の第三指と第五指が重く痛み始めた。痛みは日に日に増し、昨日から時に針で刺されるような痛みに変化してきた。夜間痛強い。患部の浮腫はないが、指を曲げると痛む。動悸、脈の結滞(代)なし。心泊数 75/分、平時より早い。心臓部位が少し痛む。舌;紅・苔なし・裂紋あり。

 不安感があるものの元気で、その他、不健康な自覚症状なし。

 治法 中国医学(漢方)では針灸などでいう ”ツボ”などの経絡学説という弁証法があり、その学説によると第三指は厥陰心包経・第五指は少陰心経の経絡の支配下にあり、その部位に集中している症状は漢方の臓腑弁証でいう ”心の病症”をうかがい知れる。このような臓腑の異常が関連する経絡に現れることを経絡現象といい、日常の病の弁証に、より裏付けを深めるために繁用されている。

 このような観点から、 ”心”に働く生薬、桂枝・人参・麦門冬・地黄・・・・・・などで益気通陽・滋陰補血し、丹参・三七人参などを加え活血通絡をしてみた。e0024094_15515175.jpg

 上記の剤で著効あり。一剤で刺痛はほぼ軽減され3日の服用ですべての症状は消失した。

部位が部位だけに病院での検査をお願いし、後日「異常なし」の報告をいただいた。

 経絡学説

中国医学で人体の生理、病理現象を解釈するのに用い、経絡は全身の気・血・津液が運行し、臓腑四肢の関節を連携し身体各部の組織器官の通絡を調節して、人体のあらゆるところに分布して各部の間を密接に連絡し生体活動を維持し続けている。






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# by home-k | 2015-09-25 16:04 | 痛みと漢方
夏季の花粉症(アレルギー性鼻炎)の漢方療法
 花粉症は春のスギ花粉によるものだけかと思いきや、夏もクシャミ、鼻水で悩んでいる方を多く見受けます。
イネ科の植物の花粉にによるアレルギー性鼻炎です。

 中医学漢方では、アレルギーを引き起こす花粉の侵入を防ぐ役割を果たしているのが「気」の一種「衛気 えき」というエネルギーです。衛気は花粉などの風邪(ふうじゃ)から体を守る「免疫力・抵抗力」で体表を保護し、汗腺や立毛筋を調節して体温を調整する働きがあり、全身をバリアーのごとく覆い包んでいます。

 漢方では「発汗はエネルギー(気)と栄養物質を含む体液(津液 しんえき)が漏れる」 ことと考えていますので、その結果、衛気虚と津液不足になり体力も低下し、容易に外邪である花粉に犯されクシャミ・鼻水を伴った夏の花粉症を発症することになります。

 暑邪による過剰な発汗で衛気と津液を失うことで肺の機能を傷め、冷たい飲食物で胃腸は気を生む機能の低下をきたした状態にあり、こうした気と津液の消耗と生成の妨げは中暑(暑さにあたる)の体にとってダブルパンチとなりより一層体力を消耗させます。。e0024094_17243177.jpg
 それ故、夏の花粉症の治療と予防は肺や脾胃の機能を高め、体内の衛気を十分に養い免疫力を高めることにつきます。

 夏の花粉症の繁用漢方薬

 花粉に侵入されるのは気の防御機能の不足であり、過剰な発汗は気の固摂作用の失調であり、透明な鼻水は肺の気化作用の失調によるものなのでいずれも衛気を補う黄耆、西洋人参、白朮などを主に用い 通鼻薬の蒼耳子、辛夷、白芷などを加えます。即効性で優れた効果を発揮します。

衛益顆粒、玉屏風散、補中益気湯、清暑益気湯、六君子湯、苓甘姜味辛夏仁湯、蒼耳散などの製剤があります。


 花粉症の漢方薬にはT.P.O.が必要

春の時に効果があったからと夏の花粉症に小青竜湯や麻黄附子細辛湯などを自己判断で服用されている方が多く見られます。これらは肺を温める作用が強いので夏季は禁忌です。漢方専門薬局でご相談を!






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# by home-k | 2015-08-25 17:35 | 花粉症・鼻炎
猛暑に珍花咲く  ドラセナ ジェレ
 連日猛暑が続いていますが、ようやく立秋の日になりました。猛暑さん立秋ですよー。
暑さ続きのためか、頂いて4年目の観葉植物に清清しい花が咲きました。

ドラセナ ジェレの花  (dracaena jelle) リュウゼツラン科 ドラセナ属
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この夏は常緑のシマトネリコにも白い花が咲きましたが記録を怠ってしまい残念。どちらも珍しいことのようです。







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# by home-k | 2015-08-08 14:15 | my off time
夏期の膀胱炎 毎年・夏期に再発を繰り返す
 今日は二十四節気の”大暑”の日、暦では暑さが絶頂に達するとしています。梅雨も明けた今日この頃は蒸し暑く、暑さは”熱”となり熱中症など暑さ負けの病が多くみられます。

 この時期、大気の熱は身体の水分(湿)と反応して「湿熱の病邪」となり膀胱炎をなどを多く発症します。

夏の膀胱炎の症状 排尿時の不快感は、人それぞれですが刺すような痛み、灼熱性の痛み、しみるような痛み、絞るような痛み、下腹部張痛など痛みが主症状です。その他、残尿感、頻尿、血尿、尿が濃いなども多く尿がコメのとぎ汁のように混濁することもあります。一般的に夏は、湿と熱のバランスの問題で湿より熱のほうが勝ることが多いので痛みを伴うことが多いのです。

原因 ; 前回の痔のところで述べましたように、脂っこいもののや甘味の過食、飲酒癖などカロリー過多の方は湿熱を生じやすく、そのべースに夏の陽気の湿熱の邪が相乗され発症します。さらにイライラや怒りっぽい、思慮過度などのストレスは火に油を注ぐことになり症状は強くなります。漢方では湿熱の邪が膀胱の気化力(正常な営み・働き)を失調させたとしています。

治法 ; 湿熱を裁く清熱利湿薬、清熱写火薬などを用い膀胱の気化力を回復させます。e0024094_11181967.jpg

治験例 ; 膀胱炎 7月10日ご来店 65歳の女性 BMI 22  7月8日から排尿痛、残尿感、頻尿、下腹部張痛、不眠で近くの医院を受診、尿検無菌で「猪苓湯」が処方された。5回服用もつらい症状は改善されず。今夜も、辛い症状と不眠が続くのは怖いと来店された。痛みの訴えが強く舌の状態(舌色 紅・舌苔 黄・舌形 大)小便色濃黄・量少から湿<熱の状態にあると判定。体に滞った過剰な熱を主に、湿をさばく竜胆草・黄芩・山梔子・車前子、気血をめぐらす香附子・赤芍薬などで煎じ薬を造り、猪苓湯と併用を薦めた。2回服用の翌朝、諸症状が軽減された旨のTelをいただいた。
  この方にはドクダミ茶の飲用をおすすめした。ドクダミは魚腥草・十薬・重薬ともいい膀胱の湿熱をとる働きがあります。







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# by home-k | 2015-07-23 17:55 | 痛みと漢方
痔の痛みと腫れ  梅雨時
 七夕も過ぎ蒸し暑い日が続いています。この季節、肛門疾患・痔の痛みと腫れを訴える方が多くなります。

 ”腫れて痛む”のが梅雨時の痔の特徴 飽食に注意!!

外気はジメジメ湿気と暑さ(熱)に満ちていて漢方用語でいう”湿熱”の状態になつています。e0024094_18205966.jpg
また飽食の時代、普段から甘・辛味などの食べ過ぎ(熱)、酒類の飲みすぎ(湿と熱)、脂っこいものやカロリー食(熱)などの栄養過剰などのより、からだは湿・熱体質になります。

その痛み・湿熱瘀血が原因

 このようにしてできてしまった体の湿熱体質が外気の湿熱に相乗され、体に有害な湿熱の邪となり、まとわりつきます。湿気は下部に留まりやすい為に大腸や肛門の周辺に湿熱の邪が留まり、そのために体調を維持しているエネルギーである気・血の流れが悪くなり痔核を形成し、血の滞りは瘀血(おけつ)となり、しこり・痛みを発症します(不通則痛)。また、湿邪は腫れの原因となり熱邪は痛みの原因になります。さらにストレスが加重されると症状はさらに激しくなります。

治法 清熱利湿 去瘀破血 清腸(通便)

からだに滞った湿や熱を取り除き、血流を改善して肛門部の静脈の欝血を取り除き、便通を整えます。
黄芩、大黄、防風、槐角、枳穀、地楡、牡丹皮、桃仁、田七人参、紫雲膏・・・・などが多用されます。

痔は病だれの中に寺を書きますが、慢性化しやすく再発を繰り返しますので、ステロイド剤の入った軟膏や座薬などで一時的な対症療法で済まさず、漢方での根治療法をお勧めしたいものです。

自然の摂理を理論的に解明した伝統的な経験医学(中医学=日本では漢方という)に魅せられます。

  ”自然の中に薬があり、歴史の中に知恵がある”  (八ッ目製薬)

下記の当ブログにも痔についての記述があります。ぜひご覧ください。
  2006.10.31 瘀血と微小循環 ⑧外痔内痔
  2007.04.18 瘀血と微小循環 ⑬いぼ痔と漢方





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# by home-k | 2015-07-11 18:26 | 痛みと漢方
今も昔も変わらぬ不養生
2000年以上も前の中国・秦、漢の次代に書かれた中国医学書の中でも最古の学術書に「皇帝内経」があります。先日、調べ物がありページを見開いていると「養生」について気になる記述に出会いました。
以下ご紹介いたします。

 大大昔の養生

  大昔の人々の中で、養生の道理を弁えた者は、天文暦数を心得て春夏秋冬の天の気に調和し、飲食に節度があり、起き臥しにきまりをつけ、妄りに心身を過労させることがないというようなわけで、肉体も精神もともどもに調和がとれていました。そのために百年の寿命をまっとうすることができたのあります。

 今どきの不養生(といっても2000年も前の秦・漢時代のこと)e0024094_15271839.jpg
   今どきの者どもは、そのような理にかなった生活を致していません。果汁でも飲むかのようにがぶがぶと酒を飲み、妄りに心身を過労させることなど、日常茶飯事であります。酔っぱらっては異性を求めて、欲情のままにその精力を消耗し、生の泉の真気を失ってしまいます。このようにして、心身の真気を温存しようとはせずに、気持ちのおもむくままに行動して欲望を満足させますし、生きながらえるまことの楽しみを知らないで、生活態度が全く無節制でありますので、五十歳になると、もうよぼよぼに老化してしまうのであります。


ということで、只今発売された新刊の養生本のごとくです。これが2000年余もの間、叫ばれ続けてきたのですから驚きです。人の性(さが)とは・・・・・・・・・・?????


                       意釈黄帝内経素問より


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# by home-k | 2015-06-25 15:32 | 漢方の話題
小児の五月病と漢方
 入園・入学式もすぎ早や二ヵ月、集団生活にも慣れて新しい友達もでき楽しい生活が始まっています。反面、浮かぬ顔の家族も見受けられます。この幼・小児期は成長に個人差が大きく小柄だったり、体力がイマイチだったりで不揃いな年代です。

 朝になると、急にお腹が痛い!頭が痛い!元気がない!起きられない!食が細くなった!など・・・・むずかり症状を訴えることもあり保護者は何かと心配の種になります。
 団体生活の中で自分の不都合に気づくのもこの時期なのかも。若しかすると五月病なのかもしれません。e0024094_17454645.jpg

 五月病は一般的に環境の変化に適応しきれなく心身が疲れやすい、からだの発育遅れなどに多くみられます。

   五遅五軟(ごちごなん)

 漢方(中医学)では小児の発育不良を ”五遅五軟”と表現しています。発育の遅れ、智力の未発達が特徴です。
  五遅とは  
   1、立遅 立てるのが遅い
   2、行遅 歩き出しが遅い  速く走れない
   3、髪遅 髪の生えるのが遅い 髪が長くならない
   4、歯遅 歯が生えるのが遅い  永久歯に生え替わるのが遅い
   5、語遅 話初めが遅い   表現力に乏しい

  五軟とは  
   1、頭軟 頭を持ち上げられない  泉門が閉じない
   2、項軟 首が座らない   頸椎が軟弱
   3、脚軟(手足) 手足が萎え力が入らない おぼつか無い歩き 物がつかめない
   4、肌肉軟 筋肉がつかない
   5、口軟 咀嚼力が弱い
                    (漢方用語大辞典より)

  治法は ”腎”を補う

 中医学漢方では幼・小児期の発育不良に対し”腎の役割”を重視しています。中医学でいう腎は西洋医学の ”腎臓”の役割よりも幅広く、成長ホルモンの働き、免疫機能維持、骨や歯をつくるカルシュウム代謝などを含み、生命活動の基である腎精を蓄えるところでもあります。

 漢方の古典には腎の機能について、「腎は成長発育を主る」 「腎は骨を主り、髄を生じ、その華は髪にある」 「腎は精を蔵す」などと表現をしています。

 以上のことから幼・小児の発育不足の「五遅五軟」の改善に、腎を補うことをメインに後天の精を生む脾を補い腎精を充実させることが大切です。発育期の上昇カーブが大のこの時期に、漢方を服用することで骨の発達を促し歯の生え替わり、身長の伸びを期待できます。
 女子では7歳前後、男子では8歳前後にこれらがすべて改善されるのが望ましく、その結果健全な大人へのスタートを切ることができます。

 漢方の知恵の奥深さを感じます。



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                       美ら海水族館
# by home-k | 2015-05-29 17:51 | 漢方の話題
坐骨神経痛 闘病体験記一年経過報告
人生最大のピンチ3ヶ月の闘病

 昨年の今頃はヘルニア性坐骨神経痛発症16日目で、左下肢のあまりにも激しい痛みに前途不安な毎日を送っていた。病院の鎮痛剤も、鍼灸も、漢方薬もこの激痛には効なし。さらに、医師の”歩けなくなる人もあるョ”の一言に生きる希望も失せる日々だった。

”激痛で不眠が続く、昨夜のズキズキズキ痛みは何だ!横脛の骨をキリで刺されているようだ!痛みはmax!Am1~5時全く不眠。明け方疲れてウトウトしても刺痛で目覚めてしまう。夜に痛みが増すので夜が恐い。つかまり立ちでそろそろと歩く。(2015.05.16日闘病メモ)e0024094_16394874.jpg

主犯は腎精不足だった!!

 この痛みから解放されるのには根本療法のできる漢方しかない!の信念のもとに煎じ薬を服み続けた。
しかし期待にしたほどの効果がない。治療方針は補うのが先か邪魔者を瀉すのが後かの選択が大事なことだが、余りにも邪が強かったので瀉してしまった。
 高齢者は一般に腎精不足が常で、様々な厄介な病を引き起こしやすい。筆者も自分の老化を認めず、年甲斐もなく動きすぎていたのでいつの間にか腎精を枯渇させてしまっていたのか。
 生命エネルギーの基、腎精の不足は気・血・陰・陽すべてが不足するので代謝が落ち、生命体を維持する物質の流れが滞り、邪魔者の痰湿や瘀血を生む原因となる。漢方の痛みの原因は「不栄則痛」「不通則痛」なので栄養物質がめぐりさえすれば痛まないことになるので、腎精を補うことがメインだったのかもしれない。
 高齢者の治療は「不栄則痛」が優先しなければならないと胆に命じた。e0024094_1726638.jpg

この一年、亀板・鹿茸・海馬などで腎精を補うことを主に、麝香・牛黄などの開窮薬、濁った水湿(痰湿)や汚れた血液が滞(瘀血)らないように扶正去邪の治療を徹底しておこなった。

天人相応、季節の変化にも体がついていけたし、再発の兆しもないのでひとまず安心。先人に培われた経験医学の漢方に感謝!!。 時々こうしたお灸をすえられながら、家族に年甲斐もなく!などと言われながらactiveに歳を重ねたいものです。


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    南紀・新宮市
# by home-k | 2015-05-16 17:58 | 痛みと漢方
花粉症は漢方で快適な春に
  花粉症は体の防衛力の不足=免疫力のアンバランスから発症 

漢方中医学では、花粉や気温の変化に対しての体の第一の守りを{衛気(えいき)=からだの防衛力}といいこの衛気が体表部や体内の粘膜のバリアの役割をはたしています。

 人は本来は常に周囲の環境に適応して健康に生きられるように体の中に侵入してきた病原菌やウイルスや花粉などを排除、死滅させたり、体内の変異細胞を排除する防衛システムを持っています。この防衛システムが免疫といわれるものです。

 かぜは免疫の不足から、花粉症は免疫の過剰反応から起きる病ですが、不足・過剰の違いはあるもののいずれにしても本来持っているはずの免疫調節能力が低下していることに変わりはありません。この免疫調節能力の低下こそが漢方でいう “衛気不足”の正体です。

  衛気不足(衛気虚)の症状 

衛気は脾肺が支配していますので食欲不振や風邪をひきやすい、汗をかきやすい、のどが弱くて炎症を起こしやすい、鼻がいつもぐずぐずしている、低体温、寒がり、冷え症などが みられます。e0024094_18284483.jpg

  花粉症には二つのタイプがあります

 二十四節気の ”雨水”の前後になると鼻がムズムズ、クシャミ、鼻水などの花粉性鼻炎の症状を発症する方は衛気が不足(自分を守る力の不足)なのです。衛気を補うことが必須です。

    ① 冷えタイプ(このタイプが多い)      

 クシャミ、透明の鼻水が多い、鼻つまり、背筋に寒気が走る、頭重、倦怠感、涙目などの症状が多く、早朝に激しい症状(モーニングアタック)が起きる。
 乾姜、甘草、細辛、辛夷、半夏など体を温め水分代謝の改善を計ります。
 ◎ 体質が弱い人が発汗作用の強い漢方薬(小青龍湯など)を長く使うと衛気虚になります。要注意
  
    ② 熱タイプ(このタイプは少ない)       

 クシャミ、鼻水(白濁)、鼻づまり、鼻や目がかゆい、充血眼、日中気温が上がると症状が悪化。
 蒼耳子、菊花、インチンコウ、薄荷などを用い体にたまった熱を涼します。

  花粉症の漢方根本療法 

 冷えタイプにしても、熱タイプにしても上記の療法は単に症状を抑える対症療法(標治法)にすぎません。
根本療法は先述の衛気不足を補い免疫調節能力を上げる生薬の ”黄耆(おおぎ)”がメインの漢方処方が必要になります。
 玉屏風散(衛益顆粒)・黄耆建中湯(補気建中湯)・補中益気湯などがあります。

 鼻は肺に酸素を取り入れる大切な器官です。鼻水や鼻づまりで口呼吸を余儀なくされることは体を酸欠状態にさらすことになり体のみならず脳の働きも鈍化させることになり仕事や学業の妨げになり社会の損失です。この酸欠や抗アレルギー剤による生体機能の低下はインペアードパホーマンスといい、”気づきにくい能力低下”をもたらし気づかないうちにミスを起こすことになりますので軽い病とみては危険です。

 免疫調節能力を上げ根治療法ができる漢方療法がお薦めです。倦怠感や鼻やのどの粘膜が乾くなど副作用の無い体質に合った漢方薬を調合いたします。



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# by home-k | 2015-02-21 18:42 | 花粉症・鼻炎
健康寿命を延ばす漢方理論
  平均寿命 ー 健康寿命=要介護の年数(不健康な年数)

 日本人の平均寿命は世界でもトップクラスと長い間言われ続けていました。その内容を深く理解もせず日本は健康?で長寿の国なのかと思わされてきました。
 しかし近年「健康寿命」という表現が使われるようになり、その思い込みは間違っていました。単に生存していることと、介助なしで健康に生活をしていることとはイコールではないのです。健康寿命とは他人の手助けなしで自活できている年数のことです。
 平均寿命から健康寿命を引いたものが要介護の年数で不健康な年数でもあります。日本の女性を例にして計算してみますと、平均寿命87歳ー健康寿命74歳=要介護の年数13年となり不本意な余生を送ることになります。
  
  健康寿命が短い日本

 健康寿命が長く要介護の年数が短い国を統計からみてみますと一位がノルウエーで7.1年、二位がUSAで8年、日本は12位で男性は9年・女性は13年もの間、要介護の生活を送ることになります。要介護の年数を減らすには健康寿命を延ばすほかに手だてが見当たりません。e0024094_13263867.jpg

  健康寿命は正気の充実で延ばせる

 それは正しい食養生であり、正しい運動養生であり、正しい薬養生です。ここでは薬養生についてです。
漢方の古典(素門)に「正気内に存すれば邪干すべからず」とあり正気(抗病力・自然治癒力)が充足されていれば病に犯されないとし、また、「疾病の発生する根本原因は内因にある」としていて確かな正気がないから内因が発生し、病邪を受け入れやすくしてしまうのだと説いています。
 漢方でいう「正気とは気・血・津液・精の人体を構成する基本的な物質が充足されている」ことでこれらによって生命活動および臓腑、経絡、組織、器官の生理機能が維持されています。
 抗病力・自然治癒力・免疫力の源泉とも言えます。

  未病対策の原点が健康寿命を延ばす

 健康な人生は正気の充実ですが、不足は様々な疾患の内因となり、気の不足は気虚といい機能の低下を引き起こし、血の不足は血虚といい栄養不足を引き起こし、津液の不足は陰虚といい潤い不足となります。また、これらの過剰も様々な疾患を誘発し非常に厄介な内因(病理的産物)となります。気の過剰は気滞といい自律神経系の不調和となり、血の異常は瘀血(おけつ)となり血の汚れなどで微小循環障害や脳卒中などを引き起こし、津液の過剰は痰湿となりコレステロールや体脂肪の異常を生じます。それ故、日頃から過不足から生じる体調の異常に気づき早めに対処することが大切といえます。未病への備えはここにあります。

  生命体の基本物質は腎精

  人体を構成する基本物質の気・血・津液・精はどれも大切なものですが、なかでも精は生命体の根本をなす物質で全身の陰液の源泉であると同時に精から生まれる「気」が全身の陽気の根源となって成長・発育・老化・生殖などと直接かかわっています。腎に貯蔵されるので腎精と呼ばれています。

 精は父母から受けた「先天の精」と、生後に消化器系(脾胃)が産生した飲食物の精微物質の「後天の精」が腎において合わさり貯蔵されます。後天の精が絶えず補充される(食養生の大切さはここにあります)ことにより精は次第に充実していきますが先天の精のもつ寿命との関係で壮年以降次第に衰え減少していきます。この働きが衰えることを腎虚といい腎虚が進むと人のもつ生命力や自然治癒力が低下し、物忘れ・無気力・耳鳴り・難聴・骨や歯がもろくなる・足腰のだるさと痛み・頻尿・尿漏れ・注意力散漫・衰弱などの老化現象が出てきます。そして健康寿命に大きな影響を与えることになります。

 ここでいう腎とは単に腎臓のことではなく、脳下垂体・副腎・性腺・甲状腺などのホルモン系や泌尿生殖器、免疫に対する働きなどが含まれています。つまり体を健康に保つためのコントローラーの役目をしています。

  要介護の五大疾患も漢方で対応

 正気(守備隊)の補充が充足されず放置すると健康寿命を損ない要介護や寝たきりになります。その五大疾患は 1.脳卒中 23,3%  2.認知症 14,0%  3.衰弱 13,6%  4.関節疾患 12,2%  5、骨折 9,3%などがあります。これらの疾患はいずれも生活習慣病の延長線上にあり漢方でいう内因に起因する疾患であり,腎精の不足はもとより不健康な生活習慣、不摂生などから体内に発生した病理的産物などが原因になることが多くみられます。これらの対処法は3000余年に及ぶ漢方の経験医学の中に詳解されていますので、この応用こそ健康寿命を延ばす最善の策と思います。

 「 自分の意志で活動できること」 「家族や友人と心通わせること」  そのような人間らしい活動的な日常生活があってこその ” いのち ” なのではないでしょうか。
 要介護を避け健康寿命を延ばすために漢方理論をお役立てください。


  
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# by home-k | 2015-01-30 15:28 | 健康寿命