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夏期の膀胱炎 毎年・夏期に再発を繰り返す
 今日は二十四節気の”大暑”の日、暦では暑さが絶頂に達するとしています。梅雨も明けた今日この頃は蒸し暑く、暑さは”熱”となり熱中症など暑さ負けの病が多くみられます。

 この時期、大気の熱は身体の水分(湿)と反応して「湿熱の病邪」となり膀胱炎をなどを多く発症します。

夏の膀胱炎の症状 排尿時の不快感は、人それぞれですが刺すような痛み、灼熱性の痛み、しみるような痛み、絞るような痛み、下腹部張痛など痛みが主症状です。その他、残尿感、頻尿、血尿、尿が濃いなども多く尿がコメのとぎ汁のように混濁することもあります。一般的に夏は、湿と熱のバランスの問題で湿より熱のほうが勝ることが多いので痛みを伴うことが多いのです。

原因 ; 前回の痔のところで述べましたように、脂っこいもののや甘味の過食、飲酒癖などカロリー過多の方は湿熱を生じやすく、そのべースに夏の陽気の湿熱の邪が相乗され発症します。さらにイライラや怒りっぽい、思慮過度などのストレスは火に油を注ぐことになり症状は強くなります。漢方では湿熱の邪が膀胱の気化力(正常な営み・働き)を失調させたとしています。

治法 ; 湿熱を裁く清熱利湿薬、清熱写火薬などを用い膀胱の気化力を回復させます。e0024094_11181967.jpg

治験例 ; 膀胱炎 7月10日ご来店 65歳の女性 BMI 22  7月8日から排尿痛、残尿感、頻尿、下腹部張痛、不眠で近くの医院を受診、尿検無菌で「猪苓湯」が処方された。5回服用もつらい症状は改善されず。今夜も、辛い症状と不眠が続くのは怖いと来店された。痛みの訴えが強く舌の状態(舌色 紅・舌苔 黄・舌形 大)小便色濃黄・量少から湿<熱の状態にあると判定。体に滞った過剰な熱を主に、湿をさばく竜胆草・黄芩・山梔子・車前子、気血をめぐらす香附子・赤芍薬などで煎じ薬を造り、猪苓湯と併用を薦めた。2回服用の翌朝、諸症状が軽減された旨のTelをいただいた。
  この方にはドクダミ茶の飲用をおすすめした。ドクダミは魚腥草・十薬・重薬ともいい膀胱の湿熱をとる働きがあります。







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# by home-k | 2015-07-23 17:55 | 痛みと漢方
痔の痛みと腫れ  梅雨時
 七夕も過ぎ蒸し暑い日が続いています。この季節、肛門疾患・痔の痛みと腫れを訴える方が多くなります。

 ”腫れて痛む”のが梅雨時の痔の特徴 飽食に注意!!

外気はジメジメ湿気と暑さ(熱)に満ちていて漢方用語でいう”湿熱”の状態になつています。e0024094_18205966.jpg
また飽食の時代、普段から甘・辛味などの食べ過ぎ(熱)、酒類の飲みすぎ(湿と熱)、脂っこいものやカロリー食(熱)などの栄養過剰などのより、からだは湿・熱体質になります。

その痛み・湿熱瘀血が原因

 このようにしてできてしまった体の湿熱体質が外気の湿熱に相乗され、体に有害な湿熱の邪となり、まとわりつきます。湿気は下部に留まりやすい為に大腸や肛門の周辺に湿熱の邪が留まり、そのために体調を維持しているエネルギーである気・血の流れが悪くなり痔核を形成し、血の滞りは瘀血(おけつ)となり、しこり・痛みを発症します(不通則痛)。また、湿邪は腫れの原因となり熱邪は痛みの原因になります。さらにストレスが加重されると症状はさらに激しくなります。

治法 清熱利湿 去瘀破血 清腸(通便)

からだに滞った湿や熱を取り除き、血流を改善して肛門部の静脈の欝血を取り除き、便通を整えます。
黄芩、大黄、防風、槐角、枳穀、地楡、牡丹皮、桃仁、田七人参、紫雲膏・・・・などが多用されます。

痔は病だれの中に寺を書きますが、慢性化しやすく再発を繰り返しますので、ステロイド剤の入った軟膏や座薬などで一時的な対症療法で済まさず、漢方での根治療法をお勧めしたいものです。

自然の摂理を理論的に解明した伝統的な経験医学(中医学=日本では漢方という)に魅せられます。

  ”自然の中に薬があり、歴史の中に知恵がある”  (八ッ目製薬)

下記の当ブログにも痔についての記述があります。ぜひご覧ください。
  2006.10.31 瘀血と微小循環 ⑧外痔内痔
  2007.04.18 瘀血と微小循環 ⑬いぼ痔と漢方





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# by home-k | 2015-07-11 18:26 | 痛みと漢方
今も昔も変わらぬ不養生
2000年以上も前の中国・秦、漢の次代に書かれた中国医学書の中でも最古の学術書に「皇帝内経」があります。先日、調べ物がありページを見開いていると「養生」について気になる記述に出会いました。
以下ご紹介いたします。

 大大昔の養生

  大昔の人々の中で、養生の道理を弁えた者は、天文暦数を心得て春夏秋冬の天の気に調和し、飲食に節度があり、起き臥しにきまりをつけ、妄りに心身を過労させることがないというようなわけで、肉体も精神もともどもに調和がとれていました。そのために百年の寿命をまっとうすることができたのあります。

 今どきの不養生(といっても2000年も前の秦・漢時代のこと)e0024094_15271839.jpg
   今どきの者どもは、そのような理にかなった生活を致していません。果汁でも飲むかのようにがぶがぶと酒を飲み、妄りに心身を過労させることなど、日常茶飯事であります。酔っぱらっては異性を求めて、欲情のままにその精力を消耗し、生の泉の真気を失ってしまいます。このようにして、心身の真気を温存しようとはせずに、気持ちのおもむくままに行動して欲望を満足させますし、生きながらえるまことの楽しみを知らないで、生活態度が全く無節制でありますので、五十歳になると、もうよぼよぼに老化してしまうのであります。


ということで、只今発売された新刊の養生本のごとくです。これが2000年余もの間、叫ばれ続けてきたのですから驚きです。人の性(さが)とは・・・・・・・・・・?????


                       意釈黄帝内経素問より


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# by home-k | 2015-06-25 15:32 | 漢方の話題
小児の五月病と漢方
 入園・入学式もすぎ早や二ヵ月、集団生活にも慣れて新しい友達もでき楽しい生活が始まっています。反面、浮かぬ顔の家族も見受けられます。この幼・小児期は成長に個人差が大きく小柄だったり、体力がイマイチだったりで不揃いな年代です。

 朝になると、急にお腹が痛い!頭が痛い!元気がない!起きられない!食が細くなった!など・・・・むずかり症状を訴えることもあり保護者は何かと心配の種になります。
 団体生活の中で自分の不都合に気づくのもこの時期なのかも。若しかすると五月病なのかもしれません。e0024094_17454645.jpg

 五月病は一般的に環境の変化に適応しきれなく心身が疲れやすい、からだの発育遅れなどに多くみられます。

   五遅五軟(ごちごなん)

 漢方(中医学)では小児の発育不良を ”五遅五軟”と表現しています。発育の遅れ、智力の未発達が特徴です。
  五遅とは  
   1、立遅 立てるのが遅い
   2、行遅 歩き出しが遅い  速く走れない
   3、髪遅 髪の生えるのが遅い 髪が長くならない
   4、歯遅 歯が生えるのが遅い  永久歯に生え替わるのが遅い
   5、語遅 話初めが遅い   表現力に乏しい

  五軟とは  
   1、頭軟 頭を持ち上げられない  泉門が閉じない
   2、項軟 首が座らない   頸椎が軟弱
   3、脚軟(手足) 手足が萎え力が入らない おぼつか無い歩き 物がつかめない
   4、肌肉軟 筋肉がつかない
   5、口軟 咀嚼力が弱い
                    (漢方用語大辞典より)

  治法は ”腎”を補う

 中医学漢方では幼・小児期の発育不良に対し”腎の役割”を重視しています。中医学でいう腎は西洋医学の ”腎臓”の役割よりも幅広く、成長ホルモンの働き、免疫機能維持、骨や歯をつくるカルシュウム代謝などを含み、生命活動の基である腎精を蓄えるところでもあります。

 漢方の古典には腎の機能について、「腎は成長発育を主る」 「腎は骨を主り、髄を生じ、その華は髪にある」 「腎は精を蔵す」などと表現をしています。

 以上のことから幼・小児の発育不足の「五遅五軟」の改善に、腎を補うことをメインに後天の精を生む脾を補い腎精を充実させることが大切です。発育期の上昇カーブが大のこの時期に、漢方を服用することで骨の発達を促し歯の生え替わり、身長の伸びを期待できます。
 女子では7歳前後、男子では8歳前後にこれらがすべて改善されるのが望ましく、その結果健全な大人へのスタートを切ることができます。

 漢方の知恵の奥深さを感じます。



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# by home-k | 2015-05-29 17:51 | 漢方の話題
坐骨神経痛 闘病体験記一年経過報告
人生最大のピンチ3ヶ月の闘病

 昨年の今頃はヘルニア性坐骨神経痛発症16日目で、左下肢のあまりにも激しい痛みに前途不安な毎日を送っていた。病院の鎮痛剤も、鍼灸も、漢方薬もこの激痛には効なし。さらに、医師の”歩けなくなる人もあるョ”の一言に生きる希望も失せる日々だった。

”激痛で不眠が続く、昨夜のズキズキズキ痛みは何だ!横脛の骨をキリで刺されているようだ!痛みはmax!Am1~5時全く不眠。明け方疲れてウトウトしても刺痛で目覚めてしまう。夜に痛みが増すので夜が恐い。つかまり立ちでそろそろと歩く。(2015.05.16日闘病メモ)e0024094_16394874.jpg

主犯は腎精不足だった!!

 この痛みから解放されるのには根本療法のできる漢方しかない!の信念のもとに煎じ薬を服み続けた。
しかし期待にしたほどの効果がない。治療方針は補うのが先か邪魔者を瀉すのが後かの選択が大事なことだが、余りにも邪が強かったので瀉してしまった。
 高齢者は一般に腎精不足が常で、様々な厄介な病を引き起こしやすい。筆者も自分の老化を認めず、年甲斐もなく動きすぎていたのでいつの間にか腎精を枯渇させてしまっていたのか。
 生命エネルギーの基、腎精の不足は気・血・陰・陽すべてが不足するので代謝が落ち、生命体を維持する物質の流れが滞り、邪魔者の痰湿や瘀血を生む原因となる。漢方の痛みの原因は「不栄則痛」「不通則痛」なので栄養物質がめぐりさえすれば痛まないことになるので、腎精を補うことがメインだったのかもしれない。
 高齢者の治療は「不栄則痛」が優先しなければならないと胆に命じた。e0024094_1726638.jpg

この一年、亀板・鹿茸・海馬などで腎精を補うことを主に、麝香・牛黄などの開窮薬、濁った水湿(痰湿)や汚れた血液が滞(瘀血)らないように扶正去邪の治療を徹底しておこなった。

天人相応、季節の変化にも体がついていけたし、再発の兆しもないのでひとまず安心。先人に培われた経験医学の漢方に感謝!!。 時々こうしたお灸をすえられながら、家族に年甲斐もなく!などと言われながらactiveに歳を重ねたいものです。


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    南紀・新宮市
# by home-k | 2015-05-16 17:58 | 痛みと漢方
花粉症は漢方で快適な春に
  花粉症は体の防衛力の不足=免疫力のアンバランスから発症 

漢方中医学では、花粉や気温の変化に対しての体の第一の守りを{衛気(えいき)=からだの防衛力}といいこの衛気が体表部や体内の粘膜のバリアの役割をはたしています。

 人は本来は常に周囲の環境に適応して健康に生きられるように体の中に侵入してきた病原菌やウイルスや花粉などを排除、死滅させたり、体内の変異細胞を排除する防衛システムを持っています。この防衛システムが免疫といわれるものです。

 かぜは免疫の不足から、花粉症は免疫の過剰反応から起きる病ですが、不足・過剰の違いはあるもののいずれにしても本来持っているはずの免疫調節能力が低下していることに変わりはありません。この免疫調節能力の低下こそが漢方でいう “衛気不足”の正体です。

  衛気不足(衛気虚)の症状 

衛気は脾肺が支配していますので食欲不振や風邪をひきやすい、汗をかきやすい、のどが弱くて炎症を起こしやすい、鼻がいつもぐずぐずしている、低体温、寒がり、冷え症などが みられます。e0024094_18284483.jpg

  花粉症には二つのタイプがあります

 二十四節気の ”雨水”の前後になると鼻がムズムズ、クシャミ、鼻水などの花粉性鼻炎の症状を発症する方は衛気が不足(自分を守る力の不足)なのです。衛気を補うことが必須です。

    ① 冷えタイプ(このタイプが多い)      

 クシャミ、透明の鼻水が多い、鼻つまり、背筋に寒気が走る、頭重、倦怠感、涙目などの症状が多く、早朝に激しい症状(モーニングアタック)が起きる。
 乾姜、甘草、細辛、辛夷、半夏など体を温め水分代謝の改善を計ります。
 ◎ 体質が弱い人が発汗作用の強い漢方薬(小青龍湯など)を長く使うと衛気虚になります。要注意
  
    ② 熱タイプ(このタイプは少ない)       

 クシャミ、鼻水(白濁)、鼻づまり、鼻や目がかゆい、充血眼、日中気温が上がると症状が悪化。
 蒼耳子、菊花、インチンコウ、薄荷などを用い体にたまった熱を涼します。

  花粉症の漢方根本療法 

 冷えタイプにしても、熱タイプにしても上記の療法は単に症状を抑える対症療法(標治法)にすぎません。
根本療法は先述の衛気不足を補い免疫調節能力を上げる生薬の ”黄耆(おおぎ)”がメインの漢方処方が必要になります。
 玉屏風散(衛益顆粒)・黄耆建中湯(補気建中湯)・補中益気湯などがあります。

 鼻は肺に酸素を取り入れる大切な器官です。鼻水や鼻づまりで口呼吸を余儀なくされることは体を酸欠状態にさらすことになり体のみならず脳の働きも鈍化させることになり仕事や学業の妨げになり社会の損失です。この酸欠や抗アレルギー剤による生体機能の低下はインペアードパホーマンスといい、”気づきにくい能力低下”をもたらし気づかないうちにミスを起こすことになりますので軽い病とみては危険です。

 免疫調節能力を上げ根治療法ができる漢方療法がお薦めです。倦怠感や鼻やのどの粘膜が乾くなど副作用の無い体質に合った漢方薬を調合いたします。



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# by home-k | 2015-02-21 18:42 | 花粉症・鼻炎
健康寿命を延ばす漢方理論
  平均寿命 ー 健康寿命=要介護の年数(不健康な年数)

 日本人の平均寿命は世界でもトップクラスと長い間言われ続けていました。その内容を深く理解もせず日本は健康?で長寿の国なのかと思わされてきました。
 しかし近年「健康寿命」という表現が使われるようになり、その思い込みは間違っていました。単に生存していることと、介助なしで健康に生活をしていることとはイコールではないのです。健康寿命とは他人の手助けなしで自活できている年数のことです。
 平均寿命から健康寿命を引いたものが要介護の年数で不健康な年数でもあります。日本の女性を例にして計算してみますと、平均寿命87歳ー健康寿命74歳=要介護の年数13年となり不本意な余生を送ることになります。
  
  健康寿命が短い日本

 健康寿命が長く要介護の年数が短い国を統計からみてみますと一位がノルウエーで7.1年、二位がUSAで8年、日本は12位で男性は9年・女性は13年もの間、要介護の生活を送ることになります。要介護の年数を減らすには健康寿命を延ばすほかに手だてが見当たりません。e0024094_13263867.jpg

  健康寿命は正気の充実で延ばせる

 それは正しい食養生であり、正しい運動養生であり、正しい薬養生です。ここでは薬養生についてです。
漢方の古典(素門)に「正気内に存すれば邪干すべからず」とあり正気(抗病力・自然治癒力)が充足されていれば病に犯されないとし、また、「疾病の発生する根本原因は内因にある」としていて確かな正気がないから内因が発生し、病邪を受け入れやすくしてしまうのだと説いています。
 漢方でいう「正気とは気・血・津液・精の人体を構成する基本的な物質が充足されている」ことでこれらによって生命活動および臓腑、経絡、組織、器官の生理機能が維持されています。
 抗病力・自然治癒力・免疫力の源泉とも言えます。

  未病対策の原点が健康寿命を延ばす

 健康な人生は正気の充実ですが、不足は様々な疾患の内因となり、気の不足は気虚といい機能の低下を引き起こし、血の不足は血虚といい栄養不足を引き起こし、津液の不足は陰虚といい潤い不足となります。また、これらの過剰も様々な疾患を誘発し非常に厄介な内因(病理的産物)となります。気の過剰は気滞といい自律神経系の不調和となり、血の異常は瘀血(おけつ)となり血の汚れなどで微小循環障害や脳卒中などを引き起こし、津液の過剰は痰湿となりコレステロールや体脂肪の異常を生じます。それ故、日頃から過不足から生じる体調の異常に気づき早めに対処することが大切といえます。未病への備えはここにあります。

  生命体の基本物質は腎精

  人体を構成する基本物質の気・血・津液・精はどれも大切なものですが、なかでも精は生命体の根本をなす物質で全身の陰液の源泉であると同時に精から生まれる「気」が全身の陽気の根源となって成長・発育・老化・生殖などと直接かかわっています。腎に貯蔵されるので腎精と呼ばれています。

 精は父母から受けた「先天の精」と、生後に消化器系(脾胃)が産生した飲食物の精微物質の「後天の精」が腎において合わさり貯蔵されます。後天の精が絶えず補充される(食養生の大切さはここにあります)ことにより精は次第に充実していきますが先天の精のもつ寿命との関係で壮年以降次第に衰え減少していきます。この働きが衰えることを腎虚といい腎虚が進むと人のもつ生命力や自然治癒力が低下し、物忘れ・無気力・耳鳴り・難聴・骨や歯がもろくなる・足腰のだるさと痛み・頻尿・尿漏れ・注意力散漫・衰弱などの老化現象が出てきます。そして健康寿命に大きな影響を与えることになります。

 ここでいう腎とは単に腎臓のことではなく、脳下垂体・副腎・性腺・甲状腺などのホルモン系や泌尿生殖器、免疫に対する働きなどが含まれています。つまり体を健康に保つためのコントローラーの役目をしています。

  要介護の五大疾患も漢方で対応

 正気(守備隊)の補充が充足されず放置すると健康寿命を損ない要介護や寝たきりになります。その五大疾患は 1.脳卒中 23,3%  2.認知症 14,0%  3.衰弱 13,6%  4.関節疾患 12,2%  5、骨折 9,3%などがあります。これらの疾患はいずれも生活習慣病の延長線上にあり漢方でいう内因に起因する疾患であり,腎精の不足はもとより不健康な生活習慣、不摂生などから体内に発生した病理的産物などが原因になることが多くみられます。これらの対処法は3000余年に及ぶ漢方の経験医学の中に詳解されていますので、この応用こそ健康寿命を延ばす最善の策と思います。

 「 自分の意志で活動できること」 「家族や友人と心通わせること」  そのような人間らしい活動的な日常生活があってこその ” いのち ” なのではないでしょうか。
 要介護を避け健康寿命を延ばすために漢方理論をお役立てください。


  
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# by home-k | 2015-01-30 15:28 | 健康寿命
坐骨神経痛 体験闘病記3の3  漢方治療編
この報告は筆者の坐骨神経痛の闘病記で漢方の治療方法の紹介も兼ねています。
  
病の発生の根本原因は内因にあり

中医学漢方では坐骨神経痛や風邪にしても病の発生について、機能失調或いは抵抗力の低下という人体側の面と、外来の発病因子(風・寒・暑・湿・熱など)という外界変動の面という2っの原因があると考えています。

 前者が内因で後者が外因であり、両方合わせたものが「病因」で、疾病が発生する根本原因は内因であり、外因は単なる条件であり「外因は内因があるからこそ初めて発現する」としています。 この他、様々な体質素因により常日頃体内に発生した気滞や瘀血・痰湿・浮腫などの病理的産物も病を複雑にする「発病因子の病邪」となります。

 また、発病後には人体の正気(抵抗力・免疫力)と病邪(発病因子)との力関係により病の軽・重が決まり正気の扶助と病邪除去の両面を考慮した扶正袪邪(ふせいきょじゃ)のバランスを考えた治療を行うと指示しています

 急性期の治則  急則治標 緩則治本

「急性期には、いま最も辛い症状を対象療法で治し、緩和されたら抵抗力を増すなどの根本療法を」の治療指針に従う。
 筆者の坐骨神経痛の病因は、内因として加齢による臓器の機能低下や過労などから気・血の不足をきたし抵抗力の低下状態の虚の体質になつたところに、外因として湿と熱の邪が結びついた湿熱の邪(実)が体に侵入し、さらに日頃から体内に発生していた病理的産物の気滞や瘀血・痰湿の病邪と結合し強力でしつこい病邪となり、病状を重くしたものと思われる。(初病入絡)

 急則治標  不通則痛

まずは、このような強力な湿熱・瘀血・痰湿の病邪を除くには、袪邪を主とし、抵抗力を養う扶正を従にした処方を必要とするので、気・血の流れをブロックして激痛を発している湿熱の邪に対し清熱利湿剤を、血の滞りに対し活血化瘀剤を、滞って熱化した痰湿(熱痰)に対し清熱化痰薬を配し袪邪を主にし,扶正薬の気血双補・補腎精薬を漢方エキス剤で対処してみた。

 上記の内容の処方でも激痛が軽くなることは無く10日余り経過しほんの少し緩らいたのを感じ病院に行く気力がでて整形外科を受診した。X線・MRIなどで腰椎椎間板4~5の間のヘルニアと診断され、対象療法としe0024094_13493678.jpgて鎮痛剤のボルタレン・ノイロトロピン・リリカの処方を受け服薬した。 それでも何ら改善されず急性期は何をしてもダメなことを思い知らされ痛みに耐えるしかなかった。 その後漢方薬は煎じ薬に代え、好みでない鎮痛薬は時々頓服で服用とした。

 急性期 袪邪の効果

発症から20日、これまで風呂で温まると患足の痛みが増悪し湯に浸かれなかったが20日目頃から温まっても痛まなくなった。寧ろ気持ちがいい。清熱利湿薬で湿熱の邪の勢いが減退してきた徴候で、邪にブロックされていたところが気血が通い始めたことであり、自然治癒力も回復し始めたことでもある。

 中間期 温薬を配す

25日目。お尻の痛み(梨状筋痛)が急激に改善、特製クッション円座なしで椅子に座れ生活の質が大きく改善された。これは袪邪法により病理的産物の邪が除かれ始めたことで、亀板・鹿茸などの動物薬の加入で扶正の自然治癒力の正気が増したのではないかと煎じ薬の漢方の効果を実感できた。時は丁度梅雨の季節で、梅雨前線の上下で痛みは変化し、前線が下がると冷えが増し、特に外脛横の固定痛(A点)はズキン痛が再発。A点は経絡からすると少陽胆経(末梢神経では総腓骨神経)なので温めて経絡に入る袪風湿薬・袪痰熱の生薬を増量した。

 緩解期の治則  緩則治本  不栄則痛

3ヶ月目、痛みの質が刺痛から重痛に次第に軽くなってきたので袪邪薬を減量し、気血や腎精を補い正気を増す本治(根本治療)の生薬を増量する。生命エネルギーが増えたことで、ついに記念すべき日が来た。67日目、前かがみくの字姿勢から解放された。と同時にA点のズキン痛は軽減、少しの距離が直立で歩行可になり生活の質はさらに向上した。

 初めての遠路外出 気めぐれば血もめぐる

7月26日横浜中華街で親しい漢方仲間の恒例の納涼会があり不安ながら、電車と徒歩で参加。30数年来のお付き合いの仲間たちから再発予防の貴重なアドバイスをいただいた。この漢方研究会は文殊の知恵の会で私にとっては何よりの財産。楽しい談笑の中「気」もいただき帰り道は患足が軽くなった。これはまさに「気行則血行」を体感。

後記;思いもかけず、3ヶ月の闘病生活を経験し、当初痛みで歩けないのがショックで、「早く治さなければ」の気持ちばかりが強く、焦った。Drから「歩けなくなる人もあるよ」もショックだった。
日頃、漢方薬養生をしていたつもりがオーバーワークが重なり病邪を強力なものにし、袪邪に手こずった。でも急性期はジタバタしてもダメなことがよくわかった。漢方の手ごたえを感じるのに時間がかかったが根本治療のできるのは漢方しかない!!を信じて。しびれや知覚麻痺の後遺症もなくすっきり治癒。漢方に感謝。

8~9月はウオーキングやサイクリング・ストレッチ・社交ダンスで筋力を養い、9月23日ついに通いなれた箱根・金時山1212mに登れた感激は忘れることができない。






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# by home-k | 2014-12-06 17:13 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 体験闘病記3の2 症状編その2の2
 急性期の激痛の中、少しでも症状が緩和されることがないか我流で生活上の工夫をしてみました。

症状の概略
 立っても・坐っても・歩いても動作を変えると痛みが増す、仰向け寝・咳・くしゃみ・クーラーで増悪、痛みの質は灼熱感のある刺痛、夜間・早朝の痛みの加重、梨状筋・外脛に固定した激痛に悩む。

窮すれば通ず  ・・・・・・・・・希望の光

 1.大きな円座クッション
  
 お尻の痛み(梨状筋痛)で座れない日が続き、食事も立って食べる・通院のタクシーにも座れずへとへとに疲れた。或とき、”トイレの便座には痛みなく座れる”ことに気づく。なぜ?? 市販の円座ではダメなので、便座の大きさに円座を作ってみた。Very Good!2週間ぶりに座れた。特製円座は食事にも・タクシーにも・移動する先に持ち歩き生活の質が大きく改善した。

 2.サイクリング  自転車の活用

 20m先にある店の駐車場まで歩けない日が続く(50日)。30日目頃円座なしで座れるようになったので自転車に乗れるか試してみた。痛みなく乗れた!!。すっかり弱ってしまった下肢の筋力回復にサイクリングを30~40分毎日続けた。歩くと痛みは増すのにペタルをこぐ動きでは痛まない。使う筋肉・腱はいろいろ違うことに気づかされる。30日もかごの鳥生活だったので、風を切って走るサイクリングは爽快で心がヤッホーになった。
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 3.アキレス腱ストレッチ(腓腹筋 ヒラメ筋)

 足を前後に開脚(患足を後ろに)し、椅子やテーブルに両手でつかまり前のめりに体重を移動、患足のかかとが床から離れないようにする。ふくらはぎやアキレス腱が痛くなる状態で20秒静止、これを5~6回をワンクールで日に10回位おこなった。不思議なことに、最も痛みが激しく苦痛だったくるぶし上の外脛痛(A点)が数分消えるのに気づく。これは最大の発見!!。

 4.スーパーのカート

 32日目、座れるようになったので車の運転に挑戦。スーパーに買い物の手伝い。カートにつかまり歩く姿勢が前かがみになるのでA点の痛みが楽になることを発見。歩ける!!。カートを押しながら家の外で300歩も歩けた。こんなに長期間歩けなかったのは赤子の時以来?。歩けなくなるのでは?と不安な毎日だった。
カートにはすっかりお世話になり、歩ける喜びを与えてくれた。

 5.その他  ナイショ・・・ 

上記のことは回復への希望の光であり、辛い症状の改善、精神衛生上も非常に役立ち、身近なところに意外と便利グッツがあり、生活の工夫で病院でのリハビリ以上のものが有ることを学べた。



次回は漢方での坐骨神経痛の治療編を報告したいと思います。




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# by home-k | 2014-11-22 12:35 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 体験闘病記3の1 症状編その2の1
 2014.05.01発症から完治までの3か月の筆者の闘病記です。
 
急性期

風薫る5月1日の早朝トイレに起きようとした時、左下肢全体に激烈な痛みを感じた。床に足をつくこともできない。その下肢痛はお尻(経穴・環跳付近)から大腿部の外側を通り外脛から指先に及び、特に外脛下部(くるぶしの上10cm位のところ:経穴・外丘~陽交付近)は焼き火箸を突き刺されたような灼熱感があり、また、ドリルで骨に穴をあけられるようで深いところを刺すような痛みを感じた。今までに経験のない激痛に戸惑いうろたえた。

 座っても、立っても、横になっても痛みは激しく、痛みを緩和する姿勢が見つからない。1時間ほどウロウロし疲れ果て横になる。しかし仰向けに寝ることができず、右下肢を下に左患足を上に重ね腰を引いて”への字”様の横向き寝が少し楽なことを発見・・・・・でも痛い。(この姿勢は50日間に及んだ)

 激痛は昼間より夜間に増悪し、朝6時前後はさらにビリビリ痛みが増した。最大の激痛地点のくるぶし上(A点)は動作を変えるときに更に増悪し、顔面は紅潮し汗ばみ思わずうめき声を発する。
イライラ・不眠が続き疲れはMAXに。ロキソニンSを倍量服用したが全く効き目を感じない。インドメタシン系の湿布や塗布薬はかえって増悪した。A点とお尻(B点)が同時に痛む時は歩行の妨げ大で生活の質に大きなダメージを受けた。(総腓骨神経の異常・経絡では少陽胆経)入浴で温まると増悪した。

 前かがみの”くの字”歩きが続き(60日間)、下肢に体重がかかるのを防ぐために両手に体重を分散して手つき歩きをするので、手掌・ひじ・肩などに痺れ痛みの二次災害を起こしてしまった。

 このような急性期の激しい症状は10日間も続いた。12日目少し痛みの質が楽になったような感じを受けたので、病態の確認のため整形外科を受診。ラセーグ徴候・FNST反射・X線・MRIなどの検査の結果、腰椎№4と№5の間のヘルニアが原因と診断される。ボルタレンなど3種の鎮痛剤が処方されたので3日間服用してみた。痛みは軽減されず耐えるしかないと観念、激痛の時だけ頓服することにして、自前漢方煎じ薬を継続した。

 ヘルニア型との診断ながら、痛み方の特徴(26.10.14当ブログ記事)を観察していると脊柱管狭窄症の症状も多々あるように思う。 前かがみ・への字型横寝姿勢は痛みが和らぎ、仰向け寝・背筋を反らす・高いとこの物を取る姿勢が痛み増し、間欠跛行などがありヘルニアと狭窄症の混合型なのかもしれない。

20日が過ぎ、漢方薬と鎮痛剤の相乗効果か激しい症状はやや軽減してきたが20m先にある店の駐車場まで歩けないのが情けない。坐れないのも辛く疲れる。これに対しては特製円座(後述)を手づくりして凌ぐことができた。

 緩解期

6月に入り痛みの性質が変わってきた。梅雨とともに湿気の影響で下肢全体が重く痛む。問題のA点は重く痺れを伴う痛みになった。歩くとズキンは不変。急性期に灼熱刺痛だったのは熱邪の影響であり、この熱邪が取れてきた証拠で一歩前進。前かがみ歩きで家の中は歩行可に。夜間痛で時々目覚める。扇風機やクーラーで痛みが増す。e0024094_13535332.jpg

7月に入るころより(60日目)前かがみ歩行が改善し始め67日目ついに 直立姿勢での歩行が可に。駐車場まで1回休みで行け、1週間後には休まず往復できた。この季節寒暖差が大きく梅雨ひえの日は痛みが増したが終日痛むことはなく着地ズキン痛もなくなった。時にはモグラたたきのように重い痛みが下肢のあちこちに出没した。

 2ヶ月半がすぎ衰えた筋力を養うべくウオーキングを始め、400m・600m・1000mと日増しに距離を延ばし7月下旬には1000歩10分のペースで歩くことができた。急性期には完全回復は無理で車椅子生活の夢を見ていたことを思うと、想像もできない回復ぶりに嬉しくて、つい歩きすぎてしまった。この筋力の回復には早くからのリハビリを兼ねたサイクリング(後述)もよかつたのではないかと思う。歩きすぎで翌日痛みが増すこともあったがほぼ痛みから解放された。

 整形外科で鎮痛剤の処方を渡されたとき、これは対象療法で根本治療はOPEとDrに告げられた時、根本治療は漢方には正気(抗病力・自然治癒力)を増すことができる治療法があり、今までの店頭治験から、これに期待することを心に誓ったことを思い出した。中医学漢方のこの扶正袪邪の治療法を後世に伝えてくれた先人の知恵に感謝。脱帽!!。

反省;油断大敵

 思い起こすと前年の2月頃同じ場所に坐骨神経痛様の症状があったが日常生活に支障がなく漢方薬の服用で治り気にしていなかった。しかし激痛発症10日前社交ダンスのレッスン時、左下肢に異様な痺れ痛みが走った。ライトメタボの者にはQuick stepはきつい。そして4月末のゴールデンウイークに南紀・熊野方面にドライブ(1150km)後の翌々日に発症したことからして、これらが腰に負担を掛けたことに違いない。正気の不足に気づかず体力を過信していたことで、とんだお灸をすえられてしまった。 


次回に急性期,緩解期の症状緩和に役立った我流アイデアを記したいと思います。




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# by home-k | 2014-11-20 15:22 | 痛みと漢方