ふくらはぎや太ももの筋肉が突然強く痙攣して,引きつるような強い痛みで動けなくなった経験のある方が多いのではないでしょうか。こむら返りのことです(信州では ”からすがえり”とか)。
芍薬甘草湯は ”効く”が ”治らない”!!??
こむら返りに病院などでは漢方の芍薬甘草湯がよく処方されるようになつてきました。寒さが強くなってきた師走になって「芍薬甘草湯を長く続けて服んでいるが、だんだん
効かなくなってきた。効いている時間も短い。再発を繰り返している。根本的に
治す薬があるか。」という方が二人続けて来店されました。
”効く薬”と ”治す薬”は同意語のようですが大きな違いがあります。「効く」はその場しのぎ、「治す」は再発をしないことです。
”治す”には・・・
中国医学(漢方)の教本によれば、こむら返りの主役の ”筋”について「肝」との関係を重視しています。「肝は血を蔵す」「肝は筋を主る」といい、肝は血液を貯蔵し血流量を調整する生理作用があり、良質の血液を五臓六腑は勿論のこと”筋”にも供給しています。肝に病があれば蔵血機能は乱れ、血の不足を生じ人体のさまざまな部位に栄養不良による病変を引き起こします。
こむら返りはこの肝血不足(血虚)により筋を養えなくなった結果といえます。
しかし、肝は血を貯蔵するが血を生むのは脾(消化器系)や腎の働きとしていますので脾・腎も筋の正常な働きに関与しています。古書によれば「生血の源は脾にあり、生化の本は腎にあり」といっています。また、肝の血流量調節の異常は血行障害を引き起こし、おけつ(お血=瘀血)を生みます。
芍薬甘草湯を服み続けていてもすっきり治らないのは、肝血の手当てだけに偏っているからで、脾や腎で造血することも大切ですし、”おけつ(瘀血)”の改善にも対処することが重要なポイントになつてきます。
病院などでは”おけつ”に対処できる適切な漢方薬は無いので治療は難しいのではないかと思います。
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