更年期障害の症状には、気づかないうちに通り過ぎてしまう人もあれば日々の生活に支障が出るような重い症状の人も見受けます。
軽いほてりや発汗(ホットフラッシュ)、頭痛、肩こり程度の症状なら我慢も出来るのでしょうが、強いイライラや不眠・不安感などが更に重なり、欝症などに陥る人もあります。
このような症状の強弱の個人差はどこに原因があるのでしょうか。
漢方の古典によれば ”腎は精を蔵し、成長・発育・生殖を主る” とあり肉体の老化や生殖器の衰え・月経や閉経と関係の深い臓器は ”腎” にあると考えています。まさに ”かん腎かなめ”なのです。
更年期はこの身体の機能を支える ”腎精” が減少し諸機能が衰え始める時期にあたります。
腎精とは成長・発育などを促進する「生命エネルギーや栄養の基本となる物質」とされています。腎精は身体のエネルギー(腎陽)や身体の潤いや栄養(腎陰)に変化し身体の機能を支えています。
漢方では”病は身体の陰陽のバランスが崩れることにより発生する”と考えていますので更年期障害の病状もこの腎精の腎陽と腎陰のバランスの乱れに病の根源があります。
重い症状の更年期
更年期は一般に老化現象の一つですから、身体に潤いや栄養を与える物質である腎陰の不足が多く見られ、その分エネルギーの腎陽が勝るようになるので、のぼせやほてり・身体の熱感・イライラカッカなどが強く現れます。このアンバランスが強いほどストレスの影響も受け(肝腎同源)やすくなり症状も更に重くなります。不安感・不眠・動悸なども伴うことがあり腎・肝・心のからみも出てきますので症状は重度となります。
軽い症状の更年期
上記に比べ腎精の陽も陰もどちらも同じように減少する人は相対的に陽と陰のバランスが保たれているので症状も比較的軽く過ごすことができます。
女性の誰もが通過する更年期は人生の転機ともいえる時期ですので、ここをうまく乗り越えて第二の人生を楽しむか、延々と続く強い症状に不安を抱えて毎日を過ごすのか考えどころです。
つらい更年期症状をなるべく穏やかに過ごすのは陰・陽のバランスを整え腎精を養うことのできる漢方療法が最も適しています。このことはアンチエイジングのkey pointでもあります。
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