治験報告
冴えない顔の男性が胃のあたりを押さえながら来店されました。
胃腸科クリニックで胃カメラ検査は異常なく、少し萎縮している。ガスターほか2種の薬を2週間毎3回服用しているが、胃の痛みは改善されないとのこと。漢方薬で効くものがあるか・・・?と。
67歳男、中肉中背、年明けころから胃のあたりが重く痛む、げっぷが多い、胃が動いてない感じがする、空腹時のほうが痛みは強い、胸やけ症状はない、夜もトイレに起きるときも胃を意識する。食欲は減。冷え性でカイロを腰と腹に入れている。思い起こせば自営業で年末は支払いのストレスが重なったころから胃の違和感があった。
生活面は晩酌にビール一本(500ml)寝酒に焼酎の水割りを飲むのが日課で楽しみという。舌べろを見せていただくと黄色の苔がべったりとついていて中医学漢方の診断基準で湿熱と判断する。半夏瀉心湯と胃の水分代謝を改善する漢方薬を1週間投薬。2日後TELあり2勝1敗という。7日後舌苔はほとんど取れて胃の違和感痛みはほぼ解消され正常に。苔に隠れていた舌質は舌周りが紅でストレスの影響もありなので、”開気丸”を服用していただいた。2か月ぶりに食べ物がおいしい・・・と。
胃の痛みは冷えかストレスが多いのですが中医学漢方の独特の舌診法により、湿熱の判定ができ早期に好結果を得られた。この人の場合冷え性故、本来は白い苔で冷えを示すはずが寝酒が過剰な水の滞りとなりアルコールのカロリーとストレスのイライラが水を化熱させ湿熱の病症となったと思はれます。湿熱は胃気(胃の正常な営み)の動きに滞を生じさせ、「通ぜざれば痛む」の漢方の道理から胃痛が生じたと思はれます。
胃腸は食べ物を消化吸収して栄養を全身に行き渡らせるという健康を保つうえでとても重要な役割を担っています。漢方での胃の生理は「湿を嫌い燥を好む」といいますので、冷たいものや水分の摂りすぎは自虐行為です。
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