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重症? 高齢者の花粉症鼻炎治験例
 男性 74歳 BMI 22 体温36度 28.03.08 来店

 発症して一週間、市販の鼻炎薬でいつもは効くが今回はダメ、小青龍湯も服用したが効果なし、耳鼻科で抗アレルギー薬を処方されたが効果なしで鼻の周りを赤くして来店された。重症? 高齢者の花粉症鼻炎治験例_e0024094_2103788.jpg

 症状; 透明の鼻水が止めどなく出、クシャミも多い、目も涙でうるうる、背筋がゾクゾク冷えて落ち着かない、鼻炎になってから手足が冷える、頭重感あり、食欲やや減、関節や筋肉の痛みはない、大小便並。遠出の旅で疲れたとのこと。舌診;血色悪い(淡)、白苔あり、形は大きい(胖大)。

 病状の解析(弁証);背筋ゾクゾクから、一瞬風邪(かぜ)かと思ったが毎年この季節鼻炎になるということから花粉症と判断した。過労から体を温める働き(陽気)が低下し肺の本来の仕事である水液を気化する力が不足し(肺の陽虚)、さらに高齢者でもあり内分泌機能低下により陽気の根源である腎の温煦作用(*)の減退により冷え(寒証)を自覚することになり、免疫力が落ちたところに風邪(ふうじゃ=花粉などのアレルギー物質)と寒邪に感作し強い寒気と多量の鼻水の症状が出てしまった。中医学漢方ではこのように肺や腎の温煦作用の働きが低下した状態を肺腎陽虚(気の不足は陽気の不足を生みやすい)と表現している。

 漢方処方内容;肺と腎を温める生薬: 桂皮 山薬 山茱萸 熟地黄 細辛 杜仲 麻黄 菟絲子 附子・・・・・ などの生薬に、鼻炎の特効薬 辛夷(ハクモクレンの花蕾)を配合し煎じ薬をつくってみた。

 著効があり、二日目には諸症状は解消した。ビールなどの冷えたものを避け、体温以上の飲食物の摂取と、ニンニクや生姜・ネギ・ニラなど体を温める食べ物を多く摂るように、また蛋白質にはスパイスを必ずお願いした。重症? 高齢者の花粉症鼻炎治験例_e0024094_21105949.jpg

  *温煦作用(おんくさよう):エネルギー代謝や循環機能をおこなうことにより体温を維持管理する こと。






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by home-k | 2016-03-12 21:35 | 花粉症・鼻炎