蒸し暑い季節のアレルギー性鼻炎(湿熱性鼻炎の治験例)
74歳 男性 BMI 24 外見的には健康体
初夏から梅雨明けころに毎年、クシャミ鼻水など酷い鼻炎症状の方が来店されます。春の花粉症時は無症状で快適な春を過ごされています。
一般的に春の花粉症の漢方手当は脾(胃腸)・肺・腎の働きを改善することで十分改善が可能です。しかし、この方の場合通常の手当では少々の改善しかできません。五年前の初診時にはまれな症例のため治療方針に悩みました。
クシャミ・鼻水以外に、この季節になると気になる症状はないのか問診・望診をやり直してみました。すると、蒸し暑くなってくると頭重感、倦怠感、体が重い、急ぐと息切れ、足が浮腫んで靴下の跡がクッキリつく、夜間のトイレは3~4回(尿色はやや濃い)、この時期便秘気味、舌形は大きく舌辺に歯の跡がギザギザついている・舌色は淡>紅など心や腎に負担が診られ、中医学漢方の診断モノサシに照らし合わせるには十分な情報を得ることができました。
鼻炎症状は蒸し暑い日は悪化し、湿度が低くカラットしていると快適な日となる。夏は嫌い冬が好きということも判明しました。
これらの情報から老化による諸臓器の機能低下もあり、特に水分代謝を主る脾・肺・腎の働きの低下に蒸し暑い気候・湿熱の邪が心のポンプ機能に悪い影響を及ぼしたのではないかと推察し、心機能を高める漢方薬を加味してみました。結果は良好で問診の大切さを再認識させられました。
生活上、ウォーキングや入浴での発汗、夏野菜などのカリュウムによる利尿など体に余分な濁った水をためない努力も大切です。
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