今年の夏は珍しく3人もの葛根湯の新客様が来店されました。夏に葛根湯???
A さん;「風邪で葛根湯を服んでいるが治らないので追加を買いに。風邪にはいつも葛根湯飲んでいると・・・」症状を伺うと”のどの痛み、渇き、微熱”とのこと。漢方の証から銀翹散が適薬なれど葛根湯でいいからとのこと。仕方なく葛根湯に桔梗石膏を合わせて服用いただいた。
B さん;「肩こりで1年中服んでいる(Dr.処方)」

症状を伺うと漢方の証では加味逍遥散が適当と判断し服用
をお願いした。
C さん;「今年の冬に葛根湯が効いたので・・・・」症状を伺うと”鼻水・全身倦怠・食欲不振・味がない・口がねばる”などの胃腸症状が多いので夏風邪専門の蕾香正気散をお勧めした。
葛根湯は漢方薬の中でも認知度No.1です。しかし、漢方薬服用に際して「証」という使用上の条件があります。葛根湯の「証」は”汗がなく・悪風(風邪に中ると寒気がする)する者”に用いることになっています。A,B,Cさんにはこの「証」が見当たりません。
漢方薬の選薬には患者さんの症状の訴えに対し、「温めたらいい」のか・冷やしたらいい」のか(寒熱弁証)、「過剰」なのか・「不足」なのか(虚実弁証)の弁別は必須中の必須です。
葛根湯の場合、麻黄・桂枝が主薬で温めて発汗させる処方構成ですので、只でさえ暑く自然発汗の多い季節ですので、葛根湯で温めては逆療法で体は疲れるどころか害が出ます。夏の風邪は冷やすことが先決で桔梗石膏や銀翹散、蕾香正気散、桂枝湯などが適合します。
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