酷暑が体を蝕む!!漢方治験例 そのⅠ 歯痛
歯の痛み 76歳女性
酷暑が続くこの夏、上顎大臼歯(左側)が浮いたように腫れ痛む。食べ物が噛めないので流動食のように食事は流し込む。市販の鎮痛剤を2日服用したが効かないと来店。
歯の痛みが放散するのか頭痛や顔面が熱いという症状がある。
舌診;舌色は紅、表面に黄色の苔が多い、舌の形は大きい、歯の痕が舌辺に多い、舌裏静脈は黒く太いなどがあり湿熱の病症と判断。
常日頃水分代謝の悪い体質は水の停滞を招き(内湿)、その水湿に過剰な暑さが消化器系から入り込み加熱され湿熱の邪となり経絡に侵入し(陽明経の湿熱)発症した病症と判断した。
湿熱の病症でも湿と熱のバランスの判断が大切でこの症例では熱に偏っていると判断し、清胃散と甘露飲をベースに血流を改善する(瘀血)生薬を配合した(5日分)。
後日談;一回の服用で痛みは半減し、三日目には歯の浮いた感はあるものの噛むことができ、2週間後には好物のピーナッツも食べられるようになった。一時は抜歯かな?と思ったが漢方で改善できてよかったと感謝された。詳細な弁証論治が大切なことを思い知らされた。
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