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お血と微小循環障害  ⑬  -いぼ痔と漢方ー
 中医学(中国漢方)は五行説の考えが基本になっていて中医学の古書に「春には天の陽気がひろがり始め、地の陽気が萌し始めるときであり人の陽気は肝にある」と言っています。

 春はその陽気に目覚めて気(エネルギー)や血(栄養物質)は肝に集まり肝の働きを充実させる季節ですが日頃、何らかの原因で肝にトラブルを抱えているとエネルギーや血の流れは滞り、肝炎、胆のう炎、子宮の病、眼疾患、自律神経失調症、痔などなど、様々な肝に関連した病が悪化したり、新たに発症したりするようになります。 

 痔と肝は離れた位置にあり関連は無いように思われますが痔静脈は門脈系に属し、肝臓にその血流は注ぐ道筋ですので肝臓部にうつ血があれば、押せ押せで痔静脈に圧がかかり、うつ血が肛門の周囲にも発生することになります。

 痔は肛門部に発生した「お血病の一種」で具体的には痔静脈のうつ血が原因といえ微小循環障害の結果でもあります。

 いろいろな痔の治療の基本方針は血行を改善して体内のうつ血を除きながら肝臓の働きを強化し肝臓部での血流を促すことが大切になります。漢方では「お血」(おけつ)の治療を得意としていますのでOPEなしでかなりの痔の治療が可能です。痛い思いもなしです。
 また、いぼ痔(痔核)など患部が炎症を起こして腫れたり出血する場合は湿熱や血熱が伴っていることもありそれぞれの熱を取り除くことも必要になります。
 
 漢方薬には多くの優れた痔に対応する処方があります。切らずに治すことを念頭に内服では槐角丸、乙字湯、五虎湯、大黄牡丹皮湯、芎帰膠艾湯、桃核承気湯などなど、外用では紫雲膏、太乙膏(たいつこう)中黄膏などあり庤主さんには是非試みていただきたい治療法です。

 06.10.31のブログも参考にしてください。

  漢方ホーム薬局のHPはこちら
by home-k | 2007-04-18 18:15 | お血(おけつ)