婦人科疾患 ー月経周期の異常ー 4の2 生理が早い
月経先期(頻発月経)
いつもより生理が早く来てしまう月経先期は、気虚と血熱の二つの原因が考えられます。
Ⅰ) 気虚 :エネルギー不足のタイプ
過労・重い病気・胃腸が弱い・飲食の不摂生などで ”気”が不足して、気が血をコントロールできなくなるので経血がもれてしまい生理が早くなる病態で、経血はダラダラと続くので量は多く、血色 は淡く希薄であり、疲れやすい・元気がない・気力がない・息ぎれ・ 声に力がない・食欲不振などの症状を伴う特徴があります。
治療法:内臓機能を充実させる朝鮮人参・黄耆・当帰・芍薬・川芎などの配合された漢方薬を使います。
Ⅱ) 血熱:体に余分の熱がこもるタイプ
辛いもの・味の濃いもの・酒・カロリー過多食などの摂りすぎ、ストレスや抑うつ・怒り・悩み・過度の思慮などでからだに余分な熱がこもり、熱が血を乱すので生理が早くなる 病態で、経血量は多く・出血日数も長く・経血色は深紅で粘稠であり、イライラ・不眠・怒りっぽい・暑がる・のぼせ・尿が濃い・舌が紅いなどの症状を伴います。
治療法:血にこもった熱をさます牡丹皮・茅根・うこん(川玉金)・黄連・黄芩・山梔子・当帰などの配合された漢方薬を使います。
* 治療を誤ったり長期にわたり改善されないと複雑な病症(陰虚)に移行しますので注意が必要です。
次回は予定日が遅れる場合です。(月経後期)
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