花粉症・季節性アレルギー性鼻炎 -生活習慣が元凶ー
立春がすぎ、暦の上では春ですが大きなマスクに冴えない顔の方を見受けるようになり、花粉症情報もにぎやかになつてきました。
スギ花粉に反応して ”くしゃみ・鼻水・鼻づまり・兎目・目や鼻の粘膜のかゆみ”など激しい症状に苦しんでいる人がいるかと思えば、隣でケロッとして涼しい顔をしている人もいる。世の中不公平だ!!と嘆いてみても、その症状の根源は花粉ではなく自身の健康管理に問題があることが多いのです。
中国漢方では「正気(防衛力)が体のうちにあれば、外部の邪(花粉やウイルス)は体内に入れない」という考えがあり、体の防御力が低下(衛気不足)して花粉(外邪)に過敏に反応して容易に受け入れてしまう体質(正気不足)になっていると考えています。免疫のセンサーが過敏になりすぎて免疫調整能力が失調している状態といえます。
戦前には皆無だった花粉症が高度経済成長の波にのって年々増加し、今や3~4人に一人の割合ともいわれ新たな国民病の一つになっています。
快適な車社会・エアコンの普及・夜型生活・豊かな食生活・おしゃれな薄着の衣装など、これらのひとつひとつが運動不足や過労や睡眠不足、冷えやクーラー病などを引き起こし、生もの・冷たいものや飲み物や水分の摂り過ぎ、精神的なストレスなどが複雑に絡み合って衛気や正気の不足の体質を作り上げていきます。
実際、花粉症に罹患する人の割合は花粉の産地の地方よりも都市部に多いことからしても上記の悪しき生活習慣にあることが、うかがい知れます。スギ花粉の増加だけでは説明がつきません。
悪い生活習慣から、体は機能低下になりパワー不足で ”冷えや水の滞り・気の滞り” を引き起こします。花粉症は鼻という局所の病と思われがちですが、中国漢方の立場からみると肺や脾(消化器系)・腎の機能低下をもたらした結果であり、ダメージは広く内臓にまで及んでいるとみています。花粉に好かれる人は冷えと水の滞りを抱えた人ということになります。
漢方での治療法:肺や脾・腎のパワーを回復させる漢方薬を体質に応じて用います。
黄耆・防風・白求・乾姜・五味子・杏仁などの生薬を基本に工夫しています。花粉症の漢方薬は一回の服用で効き目が判るほどの即効性があり、眠気、口の渇きなどの副作用は全くありません。また、OFFシーズンには体質改善法もあり根治も可能です。
ものが豊かで生活が便利になればなるほど現代人の体から防御能力が欠落していくとしたら大変深刻な問題ではないでしょうか。
金時山の杉の花粉芽(花序)がだいぶ大きくなってきました。今年は多い??。
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