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カテゴリ:痛みと漢方( 24 )
坐骨神経痛 体験闘病記3の2 症状編その2の2
 急性期の激痛の中、少しでも症状が緩和されることがないか我流で生活上の工夫をしてみました。

症状の概略
 立っても・坐っても・歩いても動作を変えると痛みが増す、仰向け寝・咳・くしゃみ・クーラーで増悪、痛みの質は灼熱感のある刺痛、夜間・早朝の痛みの加重、梨状筋・外脛に固定した激痛に悩む。

窮すれば通ず  ・・・・・・・・・希望の光

 1.大きな円座クッション
  
 お尻の痛み(梨状筋痛)で座れない日が続き、食事も立って食べる・通院のタクシーにも座れずへとへとに疲れた。或とき、”トイレの便座には痛みなく座れる”ことに気づく。なぜ?? 市販の円座ではダメなので、便座の大きさに円座を作ってみた。Very Good!2週間ぶりに座れた。特製円座は食事にも・タクシーにも・移動する先に持ち歩き生活の質が大きく改善した。

 2.サイクリング  自転車の活用

 20m先にある店の駐車場まで歩けない日が続く(50日)。30日目頃円座なしで座れるようになったので自転車に乗れるか試してみた。痛みなく乗れた!!。すっかり弱ってしまった下肢の筋力回復にサイクリングを30~40分毎日続けた。歩くと痛みは増すのにペタルをこぐ動きでは痛まない。使う筋肉・腱はいろいろ違うことに気づかされる。30日もかごの鳥生活だったので、風を切って走るサイクリングは爽快で心がヤッホーになった。
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 3.アキレス腱ストレッチ(腓腹筋 ヒラメ筋)

 足を前後に開脚(患足を後ろに)し、椅子やテーブルに両手でつかまり前のめりに体重を移動、患足のかかとが床から離れないようにする。ふくらはぎやアキレス腱が痛くなる状態で20秒静止、これを5~6回をワンクールで日に10回位おこなった。不思議なことに、最も痛みが激しく苦痛だったくるぶし上の外脛痛(A点)が数分消えるのに気づく。これは最大の発見!!。

 4.スーパーのカート

 32日目、座れるようになったので車の運転に挑戦。スーパーに買い物の手伝い。カートにつかまり歩く姿勢が前かがみになるのでA点の痛みが楽になることを発見。歩ける!!。カートを押しながら家の外で300歩も歩けた。こんなに長期間歩けなかったのは赤子の時以来?。歩けなくなるのでは?と不安な毎日だった。
カートにはすっかりお世話になり、歩ける喜びを与えてくれた。

 5.その他  ナイショ・・・ 

上記のことは回復への希望の光であり、辛い症状の改善、精神衛生上も非常に役立ち、身近なところに意外と便利グッツがあり、生活の工夫で病院でのリハビリ以上のものが有ることを学べた。



次回は漢方での坐骨神経痛の治療編を報告したいと思います。




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by home-k | 2014-11-22 12:35 | 痛みと漢方
坐骨神経痛 体験闘病記3の1 症状編その2の1
 2014.05.01発症から完治までの3か月の筆者の闘病記です。
 
急性期

風薫る5月1日の早朝トイレに起きようとした時、左下肢全体に激烈な痛みを感じた。床に足をつくこともできない。その下肢痛はお尻(経穴・環跳付近)から大腿部の外側を通り外脛から指先に及び、特に外脛下部(くるぶしの上10cm位のところ:経穴・外丘~陽交付近)は焼き火箸を突き刺されたような灼熱感があり、また、ドリルで骨に穴をあけられるようで深いところを刺すような痛みを感じた。今までに経験のない激痛に戸惑いうろたえた。

 座っても、立っても、横になっても痛みは激しく、痛みを緩和する姿勢が見つからない。1時間ほどウロウロし疲れ果て横になる。しかし仰向けに寝ることができず、右下肢を下に左患足を上に重ね腰を引いて”への字”様の横向き寝が少し楽なことを発見・・・・・でも痛い。(この姿勢は50日間に及んだ)

 激痛は昼間より夜間に増悪し、朝6時前後はさらにビリビリ痛みが増した。最大の激痛地点のくるぶし上(A点)は動作を変えるときに更に増悪し、顔面は紅潮し汗ばみ思わずうめき声を発する。
イライラ・不眠が続き疲れはMAXに。ロキソニンSを倍量服用したが全く効き目を感じない。インドメタシン系の湿布や塗布薬はかえって増悪した。A点とお尻(B点)が同時に痛む時は歩行の妨げ大で生活の質に大きなダメージを受けた。(総腓骨神経の異常・経絡では少陽胆経)入浴で温まると増悪した。

 前かがみの”くの字”歩きが続き(60日間)、下肢に体重がかかるのを防ぐために両手に体重を分散して手つき歩きをするので、手掌・ひじ・肩などに痺れ痛みの二次災害を起こしてしまった。

 このような急性期の激しい症状は10日間も続いた。12日目少し痛みの質が楽になったような感じを受けたので、病態の確認のため整形外科を受診。ラセーグ徴候・FNST反射・X線・MRIなどの検査の結果、腰椎№4と№5の間のヘルニアが原因と診断される。ボルタレンなど3種の鎮痛剤が処方されたので3日間服用してみた。痛みは軽減されず耐えるしかないと観念、激痛の時だけ頓服することにして、自前漢方煎じ薬を継続した。

 ヘルニア型との診断ながら、痛み方の特徴(26.10.14当ブログ記事)を観察していると脊柱管狭窄症の症状も多々あるように思う。 前かがみ・への字型横寝姿勢は痛みが和らぎ、仰向け寝・背筋を反らす・高いとこの物を取る姿勢が痛み増し、間欠跛行などがありヘルニアと狭窄症の混合型なのかもしれない。

20日が過ぎ、漢方薬と鎮痛剤の相乗効果か激しい症状はやや軽減してきたが20m先にある店の駐車場まで歩けないのが情けない。坐れないのも辛く疲れる。これに対しては特製円座(後述)を手づくりして凌ぐことができた。

 緩解期

6月に入り痛みの性質が変わってきた。梅雨とともに湿気の影響で下肢全体が重く痛む。問題のA点は重く痺れを伴う痛みになった。歩くとズキンは不変。急性期に灼熱刺痛だったのは熱邪の影響であり、この熱邪が取れてきた証拠で一歩前進。前かがみ歩きで家の中は歩行可に。夜間痛で時々目覚める。扇風機やクーラーで痛みが増す。e0024094_13535332.jpg

7月に入るころより(60日目)前かがみ歩行が改善し始め67日目ついに 直立姿勢での歩行が可に。駐車場まで1回休みで行け、1週間後には休まず往復できた。この季節寒暖差が大きく梅雨ひえの日は痛みが増したが終日痛むことはなく着地ズキン痛もなくなった。時にはモグラたたきのように重い痛みが下肢のあちこちに出没した。

 2ヶ月半がすぎ衰えた筋力を養うべくウオーキングを始め、400m・600m・1000mと日増しに距離を延ばし7月下旬には1000歩10分のペースで歩くことができた。急性期には完全回復は無理で車椅子生活の夢を見ていたことを思うと、想像もできない回復ぶりに嬉しくて、つい歩きすぎてしまった。この筋力の回復には早くからのリハビリを兼ねたサイクリング(後述)もよかつたのではないかと思う。歩きすぎで翌日痛みが増すこともあったがほぼ痛みから解放された。

 整形外科で鎮痛剤の処方を渡されたとき、これは対象療法で根本治療はOPEとDrに告げられた時、根本治療は漢方には正気(抗病力・自然治癒力)を増すことができる治療法があり、今までの店頭治験から、これに期待することを心に誓ったことを思い出した。中医学漢方のこの扶正袪邪の治療法を後世に伝えてくれた先人の知恵に感謝。脱帽!!。

反省;油断大敵

 思い起こすと前年の2月頃同じ場所に坐骨神経痛様の症状があったが日常生活に支障がなく漢方薬の服用で治り気にしていなかった。しかし激痛発症10日前社交ダンスのレッスン時、左下肢に異様な痺れ痛みが走った。ライトメタボの者にはQuick stepはきつい。そして4月末のゴールデンウイークに南紀・熊野方面にドライブ(1150km)後の翌々日に発症したことからして、これらが腰に負担を掛けたことに違いない。正気の不足に気づかず体力を過信していたことで、とんだお灸をすえられてしまった。 


次回に急性期,緩解期の症状緩和に役立った我流アイデアを記したいと思います。




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by home-k | 2014-11-20 15:22 | 痛みと漢方
坐骨神経痛の西医と中医学漢方解説
 坐骨神経痛は腰椎No.4・5、仙骨のNo.1・2・3の間から出ている坐骨神経にそって走る神経の痛みです。この神経は人体で最長最大の末梢神経で腰下部から大腿部後面・足部にかけての広い範囲の知覚をつかさどっているために、この神経根を刺激されると片側の臀部・大腿部の後面・ふくらはぎ・外脛(そとすね)・かかと・くるぶしの方まで激しく痛み・しびれが響くようになります。

 原因としては、椎間板ヘルニア・変形性脊椎症・脊柱管狭窄症・梨状筋症候群・仙腸骨関節の異常・腫瘍等々があり、セラーグテスト・FNSTテスト・x線・MRI画像などにより診断されます。
このうちヘルニア型や狭窄症型およびその混合型が多いようです。

 対症療法として痛みや炎症を抑える鎮痛消炎剤・筋肉の緊張を和らげる筋弛緩剤・末梢の血流を改善する末梢血管拡張薬・神経組織の回復を促すビタミンB12などの薬物療法や痛みの発生源の神経に局所麻酔薬を注入し神経を麻痺させる神経ブロック療法、ヘルニアなどを切除する手術療法などが行われています。

 坐骨神経痛の様々な症状にも病状の分類情報がある 

 1.腰痛を伴う下肢痛
 2.安静にしていてもお尻や下肢が痛む
 3.椅子に座るとお尻の痛みが増す(ヘルニア?)
 4.立っていると下肢の痛みが増す
 5.歩いたり動くと下肢の痛みが増す(混合型?)
 6.痛い部分に冷感・熱感・だるいがある
 7.少し重いものを持つと痛みが増す(ヘルニア?)
 8.仰向けに寝られない(狭窄症?)
 9.背中をそらせると痛みが増す(狭窄症?)
10.前にかがむと痛む(ヘルニア?)。楽に(狭窄症?)
11.背中をそらせても前にかがんでも痛む(混合型?)
12.咳やクシャミをしても痛む(ヘルニア?)
13.横を向いて(への字形寝)背中を丸くして寝ると痛みが楽(狭窄症?)
14.脚力が弱くなり転倒しやすくなる(OPE対象?)
15.下肢の痛みのほかに排尿障害がある(OPE対象?) 等々

 痛み方にも痛みの質の情報がある

 1.クーラーや寒いと痛みが増す(寒邪) e0024094_15265639.jpg
 2.重だるい痛み(湿邪)
 3.張るような痛み(気滞)
 4.引きつるような痛み(血虚)
 5.しびれたような痛み(血虚)
 6.しくしくするような痛み(血虚)
 7.刺すような痛み(瘀血)
 8.夜になると痛みが増す(瘀血)
 9.いつも同じ場所が痛みしこる(瘀血)
10.ズキズキする痛み(瘀血・湿熱)
12.ひりひりする痛み(熱邪)
13.灼熱感のある痛み(血瘀化熱・湿熱)
14.痛みが動き回る(気滞) 等々

 中医学漢方の考え

漢方では坐骨神経痛を”痺症(ひしょう)”といい痺とは詰まって通じないという意味で”不通則痛”(通じなければ痛む)と表現しています。詰まって通じない原因は自然界の風・寒・湿・熱などの邪が素体が抵抗力が落ちている(虚)ときに人体に侵入し経絡に滞り、そのために”気(エネルー)”や”血(栄養物質)”が廻らなくなり組織を養えず痛みが生じると考えています。

 このように本病の発生には内因と外因があり、肝と腎の働きや気血のパワーが共にイマイチの正気の不足が内因であり、風寒湿熱の邪が外因であるとしています。
 それ故、漢方での根本療法は体内に侵入して停滞している寒・湿・熱邪などを追い出すことから始めこれらの外邪を再び侵入させないように正気である内因の虚を補強する扶正袪邪の治療法を応用し対処します。正気が蓄積されれば再発は無く、豊かな健康生活を保つことができます。

 しかし、正気の不足が激しいことに気づかず治療の機会を失し、或いは誤治により病が長期化し、気血の流れが長期に亘りスムースに行かないと ”血は滞って瘀血(おけつ)となり、湿は凝って痰湿となり瘀血と痰湿は互いに結びつき厄介な痰瘀(たんお)となり、又、外邪と結びつき経絡を塞ぐことになり深く関節の接合部に侵入し、まとわりつき離しがたくなります。” この状態になると高度なテクニックを要し治療に月日が必要になります。

 中医学漢方は中国3000余年に亘り人々の健康に大きく貢献する過程で病気の予防や治療について豊富な経験を蓄積した人類にとって貴重な安心安全な財産といえます。未病のため健康寿命を維持するためにも必ず役立つ医療であると確信しています。



次回、筆者の坐骨神経痛闘病記をUPしてみたいと思います。

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by home-k | 2014-10-22 15:03 | 痛みと漢方
痛みの原因と漢方理論
   ”通ぜざれば痛む”

 漢方の原典「黄帝内経素問」に痛みやコリは「痺症ひしょう」に属し、”痺”は「ふさがって通じない」という意味があります。何らかの原因で経絡(けいらく=栄養を運ぶ道)に気(き=全身を廻るエネルギー)や 血(けつ=血液とその働き、栄養物質)が流れなくなり塞がると、それが痛みを引き起こすというのが漢方の考えです。
 
 漢方ではこの状態を ”不通則痛”といって「通ぜざれば痛む」と表現しています。
中医学漢方では ”風ふう””寒かん””湿しつ”などの外邪(外因=環境因子)が経絡(つぼ)の流れを塞ぎ痛みを引き起こすと考えています。

 風・寒・湿につけ込まれるのは自分の体力の虚弱(正気不足=内因)にあり

 では、どうして気・血が滞るのか。その根本原因は主に体質が虚弱で気血などの正気(環境因子に対する人体の防衛能力)が不足しているためです。正気の不足に乗じて外邪(外因)である風・寒・湿などの邪が身体を襲い、皮膚、筋肉、関節などを侵します。その結果、疼痛、だるさ、こり、しびれ、腫れなどの症状が現れてくるのです。
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  痛みをもたらす邪(原因)によって症状は異なる 

 以上のような原因で「痺症」の痛みやこりが引き起こされるのですが、その症状は原因によってそれぞれ異なります。
● 風邪(ふうじゃ)が原因となる「風痺ふうひ」は痛みがあちこちに走ったり、しじゅう起きたりする疼痛としびれのことで発病初期に多い症状です。

● 寒邪(かんじゃ)が原因となる「寒痺かんぴ」は同じ場所が痛む、固定性の激しい痛みで冷えると痛みは強くなります。

● 湿邪(しつじゃ)が原因となる「湿痺しっぴ」は身体や四肢が重く、だるく痛み動かすのが苦痛

● 熱邪(ねつじゃ)が原因となる「熱痺ねっぴ」は痛みと共に赤く腫れたり、熱を持ったりし風、寒、湿の邪が長く続いたときや体質により炎症をおこすもので、急性・慢性関節リュウマチ、関節炎などに変化することもあります。

これらの邪は単独で現れることは少なく、寒と湿・湿と熱が結びついた複合症状になることが多く、症状の分別が必須であり、生薬の選定も複雑になります。発症場所も皮膚の間に滞るものや筋肉の間に滞るものがあり場所により治りやすいもの、治療に時間を要する場合があります。
 このほかの邪に病理的産物である血の滞りの瘀血(おけつ)、体内に貯留した異常な水液である痰湿、ストレスなどから発生する気滞などもあり病状は複雑になります。この病邪については後日に記したいと思います。

  中医学漢方による治療法 

 中医学漢方では痛みの根本原因は正気不足で機能失調或いは抵抗力の低下という「内因」にあり、外界変動による「外因」は単なる発病条件とみていて「外因は内因を通じて初めて発現する」と考えていますので、治療原則は内なる正気を扶助し外からの病邪の除去の両面を考慮した扶正袪邪(ふせいきょじゃ)を行います。扶正をすることで単に痛みを止めるだけの対症療法でなく痛みの発生源を手当てする根本療法であるということができ、再発を防止することができます。

3000年余の漢方医療の治験に裏づけられたこの素晴らしい理論を、QOLの改善に、また健康寿命を長らえるためにお役立ていただきたいものです。





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by home-k | 2014-10-05 12:28 | 痛みと漢方
胃の痛み 
治験報告 

 冴えない顔の男性が胃のあたりを押さえながら来店されました。
胃腸科クリニックで胃カメラ検査は異常なく、少し萎縮している。ガスターほか2種の薬を2週間毎3回服用しているが、胃の痛みは改善されないとのこと。漢方薬で効くものがあるか・・・?と。e0024094_17154918.jpg

 67歳男、中肉中背、年明けころから胃のあたりが重く痛む、げっぷが多い、胃が動いてない感じがする、空腹時のほうが痛みは強い、胸やけ症状はない、夜もトイレに起きるときも胃を意識する。食欲は減。冷え性でカイロを腰と腹に入れている。思い起こせば自営業で年末は支払いのストレスが重なったころから胃の違和感があった。

 生活面は晩酌にビール一本(500ml)寝酒に焼酎の水割りを飲むのが日課で楽しみという。舌べろを見せていただくと黄色の苔がべったりとついていて中医学漢方の診断基準で湿熱と判断する。半夏瀉心湯と胃の水分代謝を改善する漢方薬を1週間投薬。2日後TELあり2勝1敗という。7日後舌苔はほとんど取れて胃の違和感痛みはほぼ解消され正常に。苔に隠れていた舌質は舌周りが紅でストレスの影響もありなので、”開気丸”を服用していただいた。2か月ぶりに食べ物がおいしい・・・と。

 胃の痛みは冷えかストレスが多いのですが中医学漢方の独特の舌診法により、湿熱の判定ができ早期に好結果を得られた。この人の場合冷え性故、本来は白い苔で冷えを示すはずが寝酒が過剰な水の滞りとなりアルコールのカロリーとストレスのイライラが水を化熱させ湿熱の病症となったと思はれます。湿熱は胃気(胃の正常な営み)の動きに滞を生じさせ、「通ぜざれば痛む」の漢方の道理から胃痛が生じたと思はれます。

 胃腸は食べ物を消化吸収して栄養を全身に行き渡らせるという健康を保つうえでとても重要な役割を担っています。漢方での胃の生理は「湿を嫌い燥を好む」といいますので、冷たいものや水分の摂りすぎは自虐行為です。






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by home-k | 2014-03-17 15:09 | 痛みと漢方
”痛み”の原因と漢方的考察
 一陽来復の日

昨日は”冬至”でした。太陽の高さが一年中で最も低くなり、そのため昼が一年中で最も短くその分夜が長くなります。陰陽論からすれば冬至の日は陰気に満ちた日でもあります。「陰極まれば陽になる」といいますので今日からは陽の気が徐々に多くなり日脚ものび始めます。一陽来復です。
陽が増え始めたとはいえ、今冬の寒さは大変厳しいです。寒さにやられるて痛みを訴える方(頭痛・胃痛・肩痛・腰痛・膝痛・生理痛など)が例年より多く見受けます。

 ”痛い!”にはわけ(素因)があります。
 
痛みを引き起こす原因を中医学(漢方)では「不通則痛」と「不栄則痛」の二つの原因に大別されると表現しています。
不通則痛ふつうそくつう」とは通じなければ痛むという意味で、自然界の風・寒・湿やストレスという外邪がエネルギー(気)と栄養素(血)のめぐりを妨げ代謝障害を引き起こします。それ故、冷たい風にあたったり、寒くて冷えたり、湿度が高い雨や曇りの日などに痛みが起こりやすいのです。
 「不栄則通ふえいそくつう」とは気や血の栄養が足りないという内因のために痛むという意味で身体に必要な気や血の不足、肝腎の働きの低下によるホルモン系の失調などにより組織や細胞を養えなくなり痛みが引き起こされます。虚弱体質や慢性化した時、老化時の発病にはこの治療法が奏功します。e0024094_14573254.jpg

 医療機関で保存療法や運動療法、物理療法を行っている場合でも上記の観点から、からだの状態や体質を改善することは可能で漢方による根本治療が大いに期待できるようになります。

 漢方の治療法則に「急なれば則ちその標を治し、緩なれば則ちその本を治す」という表現があります。症状が急で激しい場合は症状にあわせた対症療法を行い、症状が緩やかであったり、長期化した場合は原因と状態に応じて体質に合わせた根本治療を行なうということです。

 長く痛みでお悩みの方、痛みの漢方治療の原則の中からきっといい方法が見つかります。あきらめずに漢方で元気を取り戻しましょう。

 人生の喜びは健康にあります。



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by home-k | 2012-12-22 14:38 | 痛みと漢方
治験報告 坐骨神経痛(下肢の激痛)に漢方理論の勝利
 二十四節気の”白露”がすぎ野草に露が宿り始めると暦では表現していますが、まだまだ暑熱は収まりそうにありません。この暑さにやられて今夏は熱中症や脳梗塞が多かったように思います。今回報告の下肢痛(坐骨神経痛)も暑熱の影響で発症したと思われます。

 患者は78歳の男性 左下肢の激痛、整形外科で不治

24年07月21日 立ち仕事中左足全体が妙に軽くなりしびれた感じで動いたらよろけた。長く座って立ったときのよう。脳血管の異常かと思い内科を受診したが異常なし。

 その日の夜中から腰臀部、脛骨の外側に今まで経験したこともない激痛に襲われた。痛みで左下肢の置き場がない。痛くて寝ていられない。翌日、整形外科を受診。坐骨神経痛の診断で鎮痛剤の注射、内服薬、牽引、電気治療などを受けた。3日目頃から痛みは益々強くなり、足を引きずりながら仕事をこなした。昼間は無理しながらも仕事をすることで痛みは紛れたが夜中の激痛には耐えられず不眠も続く。不安で気が狂いそう。夜明けが待ち遠しい。

 X線、MRIの検査で腰椎の神経が少々圧迫されているとの診断。益々強い痛み止め、そしてボルタレン座薬も全く効果がなかった。毎日通院するようにとのことで20日間治療を受けた。e0024094_1534370.jpg

8月10日当薬局に来店。漢方薬処方上必要な問診に協力いただいた。

左下肢痛は臀部外側は重苦しくしびれるように痛み、頚骨(すね)外側膝下~くるぶし辺りまで(胃経)激痛。痛み方を問うに、「刺しこむように」「張ったように」「夜間に痛みが増す」「患部の皮膚色が青黒い」などの訴えを聞き出す。これらの症状は中国医学では皆 ”おけつ(瘀血)”の症状に分類されます。漢方では激しい痛みは瘀血か冷えの場合が多く見られます。

 この方の基本体質は痰湿タイプ(水はけが悪い体質)ですが、夏の暑熱で痰湿が熱を帯び、蒸れた状態になっています。中国医学では”湿熱”という病邪に変化しています。舌診:形は大きく厚く赤みが強い、舌の中央に厚く黄白色の苔があり(湿熱の代表的症状)舌裏静脈は太い(おけつ瘀血の症状)。小便色濃く、大便硬いは(湿と熱のバランスが熱症状が勝っているので濃縮率が高い状態)。

以上の症状から、この激痛は湿熱瘀血(しつねつおけつ)の病理的産物の実邪に原因があると思われます。湿熱は身体の水分(津液など)が濃くなった状態であり、おけつ(瘀血)は血の流れが滞ったり汚れたりした状態であり、いずれも身体の水液が暑熱により煮詰まり正常なものではなくなっているので流れが悪くなります。この滞りこそ痛みの原因と中国医学では診ています(不通則痛)。

 治療:湿熱にたいしては清熱利湿薬を、瘀血(おけつ)にたいしては活血化瘀(かっけつかお)薬を組み合わせてみた。

 経過:3日目の朝に来店4回目服用の昨夜は痛みが柔らいたのか2~3時間眠れた。久しぶりで気分が良い。マダラ模様だけど痛みが軽くなるときがある。
    7日目足裏の痺れの訴えあり。激痛を忘れる時間が長くなり夜は眠れるようになつた。顔をしかめることもなく笑みが出てきた。
    10日目痛みしびれは遠のいてきた。
    14日目軽い痛みがたまにあるが激痛時から見たら語るに及ばない。足がだるい、つい座りたくなるなどの訴えあり。気や血の不足を補い筋骨を強化する処方に一部変更。
    21日目以前からあった右足ひざ裏の痛みに気付く。

 現在、舌の状態がかなり改善されたので湿熱の漢方薬を軽くし,瘀血と気血を補い筋骨を強化する漢方薬・年齢を考慮して補腎薬を併用して治療を継続中。顔の表情が明るくなり苦情も殆どなくなった。

 考察:湿熱と瘀血という病邪を治療する方法は漢方にしかない理論です。その治療法も確立されていて、基本どうりに応用して短期間に患者の苦痛を取り除くことができ、漢方理論の確かさを実感することができました。中国医学に感謝です。








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by home-k | 2012-09-08 18:35 | 痛みと漢方
NHKTVためしてガッテン・”腰痛”と漢方的考察
 一昨日(11月16日)の ためしてガッテンご覧になりましたか?。「国民的大誤解!驚異の回復腰痛」のタイトルでした。マスコミ的な表現が多々ありましたが、当店のお客様からも大きな反響がありました。

 放送内容は 1、主犯の椎間板ヘルニアは「無罪」!!
       2、犯人は腰ではなく「ストレス」!!
       3、ストレスを引き起こす痛みの悪循環!
       4、脳の鎮痛シィステムを回復させるのは「犬」!

 腰痛の原因別分類では 椎間板ヘルニア 5%
            圧迫骨折    9%
            腫瘍      1%
            原因不明   85%   であり

そして、「ヘルニアをOPEした人と、OPE以外の治療をした場合を比較しても2~10年で患者の回復満足度に差はなかった。
「福島医大が原因不明の腰痛患者の脳血流が低下していて脳の働きも低下していた」との内容でした。

 痛く不安な思いをしてOPEした人にはちょっと残酷な内容だったのではないでしょうか。
漢方屋の私は視聴しながらアレッ!結果的には漢方の考え方に似ていると思いました。

 西洋医学の考え方は痛みならその部分での異常を探し出して処置をすることになりますが漢方医学ではからだ全体の調和から痛む部分を治す治療法をとります。ヘルニアであれば脊髄を支える筋や靱帯の強化をして治します。

 番組中の「脳との関係についての漢方的考え」は腎の関与があり、”腰は腎の府” ”腎は骨を主り髄を生じる””腎は髄を通じて脳に通ずる”とあります。髄は骨髄と脊髄とに分けられますが脊髄は上部で脳につながり、脳は髄が集まって出来ていると考えています。また”腎は精を蔵す”とも考えますので「精」の不足は髄を生じなくなり骨や脳の正常な働きが出来なくなります。

 「ストレスと犬についての漢方的考え」は肝の関与があり”肝は疏せつを主る”といい「怒」を主としたストレスにより自律神経系の過緊張ともたらし精神的な緊張、情緒の過度の変動などにより肝の生理機能である「血を蔵する」働きが低下し、筋膜を養えなくなり筋脈の拘急、肢体のしびれなどが現れます。アニマルセラピーも良質の気分転換になり痛みから解放されたのだと思います。e0024094_17455149.jpg
 また「恐・驚は腎の志」といい、「恐」を主としたストレスにより物事に対して恐れおののきビクビク・おどおどした状態であり、「驚」のストレスは意識せず突然受けるショックであり「3.11の東日本大震災」でも腰痛に悩まれた方が多数あったのではないかと思われます。

 このように漢方では慢性的な腰痛に対し「肝と腎」の生理作用を正常にすることが大切であり、怒・恐・驚の過剰は肝と腎を傷つけます。85%もの原因不明な腰痛に対しても冷えや湿気、血の滞り(おけつ)、気や血の不足、加齢など原因に対し様々な対処法があります。詳しくは当店のHPの「痛み」No.5の腰痛を是非ご覧ください。

 

 
 
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 12月10日(土)に新店舗に移転しますので、その準備作業に追われて記事のUPが疎かになっていて大変申し訳ありません。

 
           
by home-k | 2011-11-18 17:36 | 痛みと漢方
こむら返り・足がつる 漢方療法
 ふくらはぎや太ももの筋肉が突然強く痙攣して,引きつるような強い痛みで動けなくなった経験のある方が多いのではないでしょうか。こむら返りのことです(信州では ”からすがえり”とか)。

 芍薬甘草湯は ”効く”が ”治らない”!!??

 こむら返りに病院などでは漢方の芍薬甘草湯がよく処方されるようになつてきました。寒さが強くなってきた師走になって「芍薬甘草湯を長く続けて服んでいるが、だんだん効かなくなってきた。効いている時間も短い。再発を繰り返している。根本的に治す薬があるか。」という方が二人続けて来店されました。e0024094_13451836.jpg

 ”効く薬”と ”治す薬”は同意語のようですが大きな違いがあります。「効く」はその場しのぎ、「治す」は再発をしないことです。

 ”治す”には・・・
 中国医学(漢方)の教本によれば、こむら返りの主役の ”筋”について「肝」との関係を重視しています。「肝は血を蔵す」「肝は筋を主る」といい、肝は血液を貯蔵し血流量を調整する生理作用があり、良質の血液を五臓六腑は勿論のこと”筋”にも供給しています。肝に病があれば蔵血機能は乱れ、血の不足を生じ人体のさまざまな部位に栄養不良による病変を引き起こします。

 こむら返りはこの肝血不足(血虚)により筋を養えなくなった結果といえます。

しかし、肝は血を貯蔵するが血を生むのは脾(消化器系)や腎の働きとしていますので脾・腎も筋の正常な働きに関与しています。古書によれば「生血の源は脾にあり、生化の本は腎にあり」といっています。また、肝の血流量調節の異常は血行障害を引き起こし、おけつ(お血=瘀血)を生みます。
 芍薬甘草湯を服み続けていてもすっきり治らないのは、肝血の手当てだけに偏っているからで、脾や腎で造血することも大切ですし、”おけつ(瘀血)”の改善にも対処することが重要なポイントになつてきます。
病院などでは”おけつ”に対処できる適切な漢方薬は無いので治療は難しいのではないかと思います。

 

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by home-k | 2010-12-22 12:40 | 痛みと漢方
かかと(踵)の痛み・中国漢方の考え
   踵の痛み こんな前兆症状にご注意!! 老化現象??!!

 1. 足腰の筋肉や関節のだるい痛み・無力感。
 2. 何気なく物につかまることが多くなった。
 3. 頭のふらつき・めまい。
 4. ジーーと蝉の鳴き声のような耳鳴りがする。耳が遠くなった。
 5. 目が疲れる、目がかすむ、目が乾く。
 6. 歯が割れたり、ぐらつき、歯槽膿漏。(歯は骨の余り)
 7. 爪の変形、もろく割れる、枯れる。(爪は筋の余り)
 8. 髪の毛が細くなった、枝毛が多い、若白髪、脱毛多い。(髪は血の余り)
 9. 顔色に艶が無い、筋肉がやせてきた。
10. 夜のトイレが近い、大小便が整わない。

 このような症状が、日常生活に見られるようになったら、漢方で言う肝腎の精血不足です。肝腎かなめ(要)の働きが低下し老化現象が進行し始めたことです。

 中国漢方では ”肝は血を蔵し、筋を支配する” ”腎は精を蔵し、骨を支配する”と肝と腎の主要な働きを定義しています。

 中国医学でいう ”筋” とは筋肉、腱、靱帯、滑膜などを包括したもので、肝に蓄えられた良質の ”血(けつ)”の栄養補給により、正常な機能が維持することができます。それ故、肝血の不足は筋膜の運動障害を引き起こし、さまざまな筋肉の炎症や痛み、踵の痛みを発症させます。e0024094_1756662.jpg

 肝血はまた、精選された滋養物質の”腎精”からも供給されますので、老化による腎虚はこの補給が弱まり”筋”の栄養不足となります。それ故、肝腎同源ともいい、肝腎は要であり、肝腎精血の不足をきたさないように、日ごろの漢方薬による養生が大切となります。

 外傷以外の踵の痛みや腰痛、膝痛などの発症原因の多くはここにあることが多いのです。
4000年の歴史の中で確立された中国漢方の肝腎要の手当てで精血を養い、未病を予防し美しく歳を重ねていきたいものです。




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by home-k | 2010-07-10 17:40 | 痛みと漢方